■受験期の仕事

受験を控えたこの時期、あるいは、最中のこの時期、受験生のサポート以外に、私にはやらなければならないことがあります。

次年度以降に受験を控えた生徒たちやご家庭に対し、リアルな温度感を伝えることです。



■さじ加減

あまりに悠長に構えている子には、受験生の現状を伝え、危機感を持ってもらわねばなりません。

一方、2年も3年も前から怖がり過ぎている子には、過剰に意識せず、目の前の勉強に集中するようにと伝えます。


この辺りのさじ加減は、難しいところです。

集団塾に通っていれば周りの雰囲気から察しますが、私はマンツーで教えていますから、その子に適した温度感を正確に伝えるのは、至難の業です。



■勉強の温度感

偏差値が60を超えていても泣いて悔しがる子もいれば、0点を取っても平然としている子もいます。

結局のところ学力というものは、個人の中にある温度感によります。

塾や私のような立場からしますと、技術的なことはいくらでも教えることが出来ますが、「温度感を上げる」ことは、困難な仕事です。

本人が、「もうこれで良いや」と内心思っていれば、それまでですから。



■家庭の温度感

ご両親に熱が入りすぎて、子どもが冷めてしまうケースをよく見かけます。

勉強に限らず、あらゆる習い事で。


熱血お母さん(お父さん)こそ、子どもの成長に欠かせないと信じる方も多くおられます。

ただ、私の見たところによりますと、自分より熱の入った人間が家庭内にいると、子どもは冷めてしまうというのが実態です。


例えば、子どもに30度ほどの熱量があるとすると、ご両親の設定すべき温度は29度以下です。

本人に10度しかないなら、9度以下です。

そうしなければ、本人の温度が上がることはないように思います。


じれったいことこの上ありませんが、勉強というものは、本来、じれったいことこの上ないものです。





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