■ing

英語学習者にとって、下の2文の違いを理解することは大切です。


I saw him complain about that.
私は彼が不満を言うのを見た。

I saw him complaining about that.
私は彼が不満を言っているのを見た。


厳密なニュアンスの違いは、次の通り。


I saw him complain about that.
私は彼が不満を言うのを(最初から最後まで全て)見た。

I saw him complaining about that.
私は彼が不満を言っているのを(部分的に)見た。


ing の本来の意味は、「部分的」「一部」あるいは、(向かっている)途中」となります。



■進行形

I am going to school.
私は、学校へ行っているところです。

こういった意味になるのは、行く「途中」だからです。

「go to school(学校へ行く)」という作業全体のうち、あるパーツ(部分)の上に私はいますよと。

さらに厳密に言うと、"I go to school." という完全な状態に向かっている途中であるという意味です。


■語源

ing の本来の形は、ende です。

言語学者の間でも諸説あるようですが、近隣のヨーロッパ言語を見ますと、この解釈は正しいのではないかと私は感じます。


songende (歌っている)  現ドイツ語

estudiando (勉強している) 現スペイン語



ドイツ語では今でも律儀にオリジナルの形を保持していますが、かつての英語圏でも、このような表記(ende)は多く見られます。

英語圏における ende は、動名詞を表す ing に引っ張られ、いつしか統合されたようです。

本来、動名詞の ing と進行形の ing は全くの別物です。※動名詞ingについてはまたいつか書きます



■受動

受動態を表す場合は、動詞の末尾に ed を付けます。※不規則動詞を除く


asked             尋ねられる
liked               好かれる
smiled            微笑まれる
hoped             望まれる


一般にこれらは、過去分詞(past participle)と呼ばれます。

一方、今日のテーマである 〜ing の形は、現在分詞(present participle)と呼ばれます。


「受動態」と「進行形」はあまり関係がなさそうですが、過去分詞」「現在分詞と考えると似ています。

過去分詞は受動を、現在分詞は能動を表しており、よく似た仲間です。


I am gone.
I am going.


前者は向かわされているのであり、後者は自ら向かっています。

原因は異なれど、どちらも、今そういう状態で部分的に存在している(am)という意味です。

受動は 〜ed 、能動は 〜ende、文字面もよく似ています。



■余談

ヨーロッパに伝わる古い伝承では、天界を追放された迷妄の神アーテー(ate)が地上に降り立った時から、人は堕落の道を辿ることとなったとされます。

その後、新たに追加された伝承では、かつて人は禁断の果実を食べてしまう(ate)という罪を犯し、楽園を追放されたとされます。

あちらの世界観では、かつて人が罪を犯し、今帰らんと向かっている場所は、エデン(eden)だそうです。


Gu-Edin (Gu'edena, Guedena) B.C.2600






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