■ブツ

念願のブツが、我が家に届きましたよ。


ウィスキーでしょうか。


こだまでしょうか。


いいえ、ずっと欲しかったオイルランプです。

私の中で慎重な会議を重ねた結果、私の中で承認が降り、2ヶ月もかけてスウェーデンから取り寄せたものです。

燃料を投入後、さっそく娘と妻に披露します。



■点火
なんも見えねー   なにこれー





私: き、きれいだね。○○ちゃん。

娘: うん、火がついてるだけって感じだね、パパ。

妻: これ、私でも分かる買い物失敗だよ。



いやいや、ここまで何ヶ月かかったと思ってんのよー


ぴえ…


あ、分かった。



■原因

燃料が悪い。

気持ちが早るあまり、燃料を適当に買ってしまったのでした。(薬局で)

成分

CH3OH(メタノール)         76.6%

C2H5OH(エタノール)         21.4%

CH3CH(OH)CH3(イソプロパノール)   0.3%


C(炭素原子)が少なくO(酸素原子)が多いですから、暗いのは当たり前です。



■完全燃焼と不完全燃焼

炭素・水素の化合物が完全燃焼すると、CO2(二酸化炭素)とH2O(水)を生成します。

一方、不完全燃焼の場合は、CO(一酸化炭素)やC(炭素)…といった中途半端な物質を生成します。

このC(炭素)が熱されて、強い光を放つわけです。

したがって、より明るい光を求めるなら、C(炭素)量が多い燃料が必要です。


このままでは、スウェーデンとの外交問題に発展しかねません。

もう一度やってみます。



■リカバリ

燃料をパラフィンオイル(液状のろうそく)に変えます。

成分はおそらく、C20H42C30H62あたりの高炭素の混合でしょうか。

どうなるでしょう、ドキドキ…

C(炭素)が、さんぜんと輝いております。

これこそ、科学の勝利。

まあ、説明書をよく読むと、パラフィン使えと書いてるんですけどね。




〜以下、おまけ〜


ところで、C(炭素)はどうして輝くんでしょう。

熱する前は、ただの真っ黒だったはず。




■黒体放射(black body radiation)


りんごが赤に見えるのは、りんごが赤色の光を反射する性質を持つためです。


一方、何の色にも見えない黒い物体は、あらゆる波長の光や熱(電磁波)を吸収する性質があります。


吸収された電磁波は、エネルギー保存則により、そのまま光として放出されるわけです。


これが、黒いC(炭素)が熱を得て、輝くメカニズムです。




■輝度


黒体放射による放射エネルギー強度(輝度)は、次の式で求められます。

本式の導出にあたっては、非常に面白い数学的変換が見られますので、数学好きの方はお調べになって下さい。

物理好きの方にとっては、量子論の誕生の瞬間に、心震わせるはずです。




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