※長めです。
 
■予定変更
夏休みも終わって一段落する9月初旬、少々お休みをいただいて、沖縄旅行の計画を立てていました。
 
ところが出発当日の朝、沖縄を台風が直撃、旅行はキャンセルに。
 
妻は、お金が振り込まれたと喜んでいましたが、何か錯覚しているような気もします。
 
そんなわけで、急遽、千葉のリゾートスパ?的な所に一泊してきました。
 
 
 
■これはこれで
海ほたるにて
プールにて
 
娘は少し泳げるようになってきました。
 
妻は 1ミリも泳げませんが、楽しそうにしていたので良かったです。
 
 
 
■バイキング形式
 
ファミリー向けの大型ホテルは、バイキング形式のところが多いようです。
ついつい、盛り過ぎてしまうのが我が家のスタイル。
 
食べすぎて 1ミリも動けなくなった私は、考える必要がありました。
 
 
バイキングとは、何かと。
 
 
 
■バイキング
 
バイキングとは、キリスト教圏(英/仏など)側から見た、北方民族の昔の呼び名です。
 
当時、北方の文化は洗練されておらず、南方からは野蛮と蔑まれ、恐れられていました。
ちなみに、ざっくり盛って皆で分け合う彼らの食事スタイルから、「バイキング形式」と名付けたのだろうと私は勝手に思っています。
 
民族性については諸説あるものの、好戦的な気質であったことは間違いないようで、彼らにとって「冒険」と「略奪」は近しい言葉でした。
 
 
 
■襲撃
ヴァイキングの侵略は、9世紀頃、英リンディスファーン修道院(Monastery of Lindisfarne)に対する襲撃から始まっています。
 
質素な修道院など狙っても仕方なかろうと思われるかもしれませんが、当時の修道院は財宝で溢れていました。
 
世界史の中心を知れば、その理由は理解できるはずです。
 
 
ともあれ、中世のキリスト教世界が最も恐れたのは、ペスト(黒死病)と ヴァイキングです。
 
どちらも「死の使い」というわけです。
 
 
 
■戦闘民族
ヴァイキングは、非常に大柄で屈強な肉体を持ち、死をまるで恐れませんでした。
 
古代の神々を信じる彼らにとって、「」とは「ヴァルハラ(天国のような感じ)へ行くこと」であり、そこでは、神々と酒を呑みかわす事ができると信じていたからです。
 
ところで、ヴァイキングによる南方侵略の興味深い所は、キリスト教との融合にあります。
 
 
 
■北欧神とキリスト教
一神教であるキリスト教世界は、ヴァイキングの信じる「複数の神々」という概念を決して受け入れませんでした。
 
蛮族による悪魔崇拝であると。
 
一方、破竹の勢いで侵略を進めるヴァイキングは、必要とあればキリスト教に改宗していきました。
 
こうして得た領土が、現在フランスのノルマンディー地方です。
ノルマンディー地方(Normandy)
 
ノルマン(Norman)とは、「北の人間(north man)」という意味です。
 
それはつまり、ヴァイキングのことです。
 
 
 
■ノルマン征服(The Norman Conquest of England)
 
仏ノルマンディー地方で着々と力を蓄えたヴァイキングは、11世紀に入るとイングランドへ侵攻し、なんとこれを征服します。
この歴史的な事件を、ノルマン征服(The Norman Conquest of England)と言います。※ノルマン人(ヴァイキング)による征服という意味
 
これが現在のイギリス王室の始まりです。
 
 
ヴァイキングは自らの信仰を捨て、代わりに広大な領土を得たのです。
ウィリアム征服王(William the Conqueror 1027-1087)
 
 
 
■文化
 
ヴァイキングは、イングランド征服まで 100年もの間フランス(ノルマンディー地方)に定住していましたから、文化的にも言語的にも、フランス化していました。
 
かつて蛮族と呼ばれた彼らは、ワインを呑み、キリスト教化し、フランス語を話していたのです。
 
彼らはイングランドにフランス語を持ち込みましたが、現在の英語には、その痕跡が色濃く残っています。
 
 
・牛    cow(古英) / beef(仏)
・羊    sheep(古英) / mutton(仏)
・豚    pig(古英) / pork(仏)
・花    blossom(古英) / flower(仏)
・椅子  stool(古英) / chair(仏)
    …
 
 
英語に同じ意味を持つ言葉のペアが大量にあるのは、このためです。
 
 
 
■もはや
 
どなたも読んで下さっていない気もするので、最後にこっそり独り言を。
 
ヨーロッパ北部において、アルファベットが現在の姿(abc…)になるずっと昔、使われていたのはルーン文字でした。
 
abc…と混在した時期もありましたが、やがてルーン文字は使われなくなりました。
 
一番右下の文字が見えますか。
 
P(ピー)に似ていますが、それとは無関係で、スリサズと読みます。
 
英語圏にしぶとく最後まで残ったルーン文字がこれです。
 
文字としては消え失せても発音としては未だに残っており、いわゆる舌を少し噛んで息を吐くという、例の難しいやつです。
 
現代英語では、 th です。
 
 
 
ゲルマン人たちがスリサズに込めた本来の意味とは何か、キリスト教化が進む時代の中、スリサズは如何にして異文化に溶け込んで行ったのか。
 
そして消えていったのか。
遠い海の向こう、はるか歴史の彼方へ想いを馳せていると、再びお腹が空いてくるのでした。
 
 
 
 
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