■好きになるということ

子どもが、いつ何を好きになるかは本当に分からないものですから、何か好きなことがあるということは、とても貴重なことだと思います。


漢字が好きだという珍しい子がいます。

漢字は今の時代パソコンで変換出来るから…と言ってしまうのは野暮というものでして、最近は漢字談義に付き合っています。



■カマトト 

子:「先生、『カマトト 』って書ける?」

私: 「!…」


『蒲魚』と書いて、『カマトト 』と読むそうです。
語源としては、「蒲鉾(かまぼこ)の原材料ってトトなの?」と、幼ぶった遊女が聞いたことによるとか。※トトは幼児語で魚の意

意味はもちろん、本当は知っているのに知らないふりをすることです。


妙な言葉を漢字で書ける子だなと感心しましたが、一応、雑学科の先生として負けるわけにはいきません。


私: 「蒲魚(カマトト)の逆の意味の言葉、漢字で書ける?」

子: 「!…」



■しったかぶり

意味はもちろん、本当は知らないのに知っているふりをすることです。

漢字では、『尻高鰤(しったかぶり)』と書きます。


尻高(しったか)とは、尻高貝(しったかがい)のことを指しますが、浅い岩礁に生息するニシキウズガイ科バテイラ属の巻貝のことです。 

殻は三角錐をしており、貝高がとても高いのでその名が付けられました。 
シッタカ貝(学名:Omphalius pfeifferi pfeifferi)


ところで、鰤(ぶり)の心臓が実は珍味だということをご存知ですか。
鰤の心臓(学名:Seriola quinqueradiata)

シッタカ貝の身と非常によく似ています。

江戸時代中期、魚商で財を成した前田忠兵衛は、嫌な客が家に来ると、「シッタカ貝」を「鰤の心臓」だと偽って出したそうです。

そのことに気付かなかった客は、大層なもてなしを受けたと、周囲に自慢して回りました。

後に前田忠兵衛は、このエピソードを『尻高鰤(しったかぶり)』として周囲に話し、客を小馬鹿にしては楽しんでいたそうです。



■想像力ということ

念のために書き添えておきますが、『尻高鰤(しったかぶり)』の話は、真っ赤な嘘です。

魚商で儲けた前田忠兵衛など、どこにもいません。

鱈(学名: Gadus macrocephalus)

上の話は、漢字好きの子とナンセンスな私の合作で、出鱈目(デタラメ)な作り話です。

もし他所で使えば、きっとこう言われてしまうでしょう。



知ったか振り。




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