■英単語 have

 
英語を学ぶ上で、have の用法を知ることは重要です。
 
英語のhave には「持っている」という意味の他に、「〜という状態にいる」という意味があります。
 
転じて habit(癖・習慣) になります。
 
常に〜している状態にあるからです。
 
have の語源は、ラテン語の habio, habere です。
 
ところで、日本語の古語には「侍(はべ)る」という言葉があり、古文ではしょっちゅう出てきます。
 
「侍る」には「〜という状態にいる」という意味があります。
 
不思議ですよね。
 
私はこういう物を見ると、ピクッとなってしまう病を抱えています。
 
 
■日本語とラテン語
 
実は、日本語とラテン語には非常によく似た特徴があります。
 
文法構造的な近似は、主語が省略されること、冠詞がないこと、語順に決まりがないことです。
 
これらは極めて稀な言語的特徴で、難解さの理由でもあります。
 
(ラテン語の難しさは加えて動詞の活用の多さにあります)
 
ラテン語と日本語の近似については様々な研究がなされており、私も大好きな分野です。
 
説の中には、無理やり感のあるものや、眉唾なものも含まれています。
 
ですが、だからと言って2つの言語間に一切繋がりがないとするのは、無理があるように私は思います。
 
 
■様々な意見
 
与謝野達氏は、著書『ラテン語と日本語の語源的関係』の中で次のような例を700以上挙げています。
 
(与謝野達氏は『君死にたまうことなかれ』の歌人、与謝野晶子のお孫さんです。)
 
 
こころ corculum
哀れ avare
こい(恋) cupio
上げる aggero
下げる suggero

起こす occurso
がんばれ quam vale
おめでとう omen datum
 
 
もちろん、全ての左右が同じ意味になります。
 
中国から漢字などの言語文化が入ってきたことは誰でも知っていますが、それ以外については割と謎に包まれており、様々な学説があります。
 
 
「人がローマからインド洋を渡り、東洋に至る航海が言語をアジアに繋いでいたかもしれない。」
(文化人類学者 山口昌男氏)

「秦氏は地中海周辺から来た古代ラテン語を操る民族であり、秦氏の言葉が日本語に与えた影響は大きい。」
(考古学者 和田宗耶氏)
 
 
 
■英語
 
そもそも、英語は北方のゲルマン語派と南方のイタリック語派が混ざり合って生まれた言語ですから、ほとんどの英単語はゲルマン語かラテン語にルーツがあります。
 
(数学用の英語にはギリシャ語派の名残も見られます。ケルト語派は今日ではかなり失われており、そこを掘り下げると震えるほど面白いのですが今日は触れません。今日は。)
 
 
■冗談
 
きちんと研究されておられる方々に敬意を払いつつも、私も少し真似をしてみます。
 
「創始する」「初めからいる」という意味を持つ英単語に、initiate があります。
 
「イニシャル」と言えば氏名の頭文字を意味しますし、コンピュータの世界でも「イニシャライズ」と言えば初期化を意味します。
 
「イニシアチブを握る」と言えば主導権を握ることを指しますが、それは「初めからそこにいる」からです。
 
initiate はラテン語にルーツがあり、ラテン語では initio と書きます。
 
「イニシオ」と発音し、やはり「最も初めの」という意味です。
 
 
ところで、日本語の「古」という文字には「いにしえ」という読みがあります。
 
「古(いにしえ)より伝わる〜」などと言えば、「人類史が始まった頃から」という意味になります。
 
 
奇しくも、「古(いにしえ)」と initio(イニシオ) は意味が全く同じです。
 
どちらも、beginning を表します。
 
 
もちろん上に挙げた例はほんの冗談ですが、頭をカチカチに固くするより、もっと言語というもので遊び倒して欲しいと思います。
 
日本語ほどロマンに溢れる言語は他にないと思うからです。
 
 
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