つい先日、上手な詩を書く小学生に感動してしまったので、今日はこんな記事にしてみました。

 

ご紹介するのは、アイルランドの詩人イェイツの詩です。

 

イェイツは20世紀最大の詩人とも呼ばれ、ノーベル文学賞を受賞しています。(彼のケルト語の研究成果に私は関心を抱いています)

 

詩の内容としては、「みんなにモテた君だったけど、歳をとったら僕のことを思い出してねー」という感じです。

 

タイトルは、「歳をとり」です。

 



■ イェイツの詩

 

When You Are Old

 

When you are old and grey and full of sleep, 
And nodding by the fire, take down this book, 
And slowly read, and dream of the soft look 
Your eyes had once, and of their shadows deep; 

 

How many loved your moments of glad grace, 
And loved your beauty with love false or true, 
But one man loved the pilgrim Soul in you, 
And loved the sorrows of your changing face; 

 

And bending down beside the glowing bars, 
Murmur, a little sadly, how Love fled 
And paced upon the mountains overhead 
And hid his face amid a crowd of stars. 



歳を取り

 

あなたが老いて 灰色の髪で眠りに満ちて
炉のもとで揺られる時 この本を手にしてくれ
ゆっくりと読みながら 夢みてくれ
在りし日あなたの目にやどった 優しいまなざしを深い翳りを

 

どれほどの者があなたの嬉しげな微笑を愛し
愛の偽りや真で あなたの美しさを愛したかを

だが一人の男は あなたの内の巡礼の魂を愛し
移ろいゆくあなたの顔の悲しみを愛した

 

あなたは燃える薪のそばで身を屈め
つぶやいてくれ 小さく悲しげな声でどのように「愛」が逃れ
山の彼方へ歩み去り
その顔を星の群の中へ隠してしまったかを




■所感


イェーツは30歳でこれを書いたそうですから、ちょっと信じられない早熟です。


19歳で「酒と泪と男と女」を書いた河島英五の親戚ですかね。(冗談)


ともあれ、「歳を取り」は確かに美しい。

 



■でもちょっと。。

 

But one man loved the pilgrim Soul in you, And loved the sorrows of your changing face

 

だが一人の男は あなたの内の巡礼の魂を愛し
移ろいゆくあなたの顔の悲しみを愛した


 

訳が堅いような。

 

巡礼の魂とか言われても、あんまり…



イェイツには熱心な研究者や愛好家が多く、めったなことを言うと怒られてしまいそうですが。






■翻訳

 

But one man loved the pilgrim Soul in you, And loved the sorrows of your changing face

 

寄る年波に    戸惑い悲しむ    君の横顔 

ただ君を愛しは  ただ1人の男


 訳:  C.O.D. Club

 




William Butler Yeats 1865-1939

 



 

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