「モンパルナス・タワー」のリノベーションに700案超
フランス・パリ市内の超高層ビル「モンパルナス・タワー」の改造計画国際コンペの結果が9月19日に発表された。
ドミニク・ペロー・アルシテクチュール(フランス)やOMA(オランダ)などを抑え勝利したのは、パリを拠点とする設計事務所3社が結成した共同体「ヌーヴェルAOM(Nouvelle AOM/アーオーエム)」だ。
ヌーヴェルAOM案。南東側の全景をメーヌ通りから見る。外観に透明性が生まれ低層部は緑に覆われる。頂部は吹き抜けの温室(資料: Nouvelle AOM / RSI Studio / IDA +)
ヌーヴェルAOMは、いずれも40代の建築家が率いる事務所の共同体で、5人のパートナーは全て1970年代初頭の生まれだ。
オランダのMVRDV出身者をはじめ、経歴は様々。3事務所とも20~30人のスタッフを抱え、欧州各地でプロジェクトが進行している。
モンパルナス・タワーは、15区に立つパリ初の超高層ビルで、59階建て、高さ210m。ウジェーヌ・ボードワンら3建築家の設計で1973年に竣工した。
エッフェル塔(高さ324m)を除けば、2011年にデファンス地区のトゥール・ファースト(高さ231m)が改修・増築されるまではフランスで最も高いビルだった。
最上階の展望フロアからはパリ全域を見渡せ、観光客にも人気のスポットだ。
一方で、巨大な一枚岩のような外観は、竣工当時から、パリの街並みには不釣り合いだと景観論争が起こり、これをきっかけとしてパリ中心部においては7階を超える建物の建設は禁止されていた。
今回のコンペでは、既存の建物を生かし、ファサードを中心に改修し、用途も一部見直す。
ジョルジュ・ポンピドゥー・センターから見たヌーヴェルAOM案(資料:Nouvelle AOM / Luxigon)
ヌーヴェルAOMの最優秀案。入賞した7案は、アルスナル建築博物館(パリ4区)にて10月22日まで展示(資料: Nouvelle AOM / Camille Gharbi)
最終選考に残ったスタジオ・ギャング案(資料:アルスナル建築博物館)
ヌーヴェルAOM案の14階屋外庭園。水平面が強調され視覚的に周辺環境に開いている(資料: Nouvelle AOM / IDA +)
7チームに残ったアーキテクチャー・スタジオ案(資料:アルスナル建築博物館)
同ドミニク・ペロー・アルシテクチュール案(資料:アルスナル建築博物館)
同MADアーキテクツ(+DGLA)案(資料:アルスナル建築博物館)
同OMA案(資料:アルスナル建築博物館)
同PLPアーキテクチャー案(資料:アルスナル建築博物館)
どの案も美しい~
パリの街並みに合いそう~
完成が楽しみですネ!
出典=https://tech.nikkeibp.co.jp/kn/atcl/bldnews/15/101201679/?P=1