フランス・パリで日本人設計者業者在感を増している。

 

その様子を伝えてきた本シリーズの第4回では、パリ北部で進行中のプロジェクトを紹介する。

 

パリ市は今、経済拠点などの都市機能を中心部から郊外に移しつつある。その1つに、フランス国鉄(SNCF)が進める新駅開発がある。

 

国際コンペを経て、2015年10月に新駅の設計者が隈研吾氏に決まった。

 

 

フランス国鉄(SNCF)が開発する新駅「サンドニ・プレイエル駅」。国際コンペの末、設計者は隈研吾氏に決まった。完成は2023年ごろの予定だ(資料:隈研吾建築都市設計事務所)

フランス国鉄(SNCF)が開発する新駅「サンドニ・プレイエル駅」。国際コンペの末、設計者は隈研吾氏に決まった。完成は2023年ごろの予定だ(資料:隈研吾建築都市設計事務所)

 

 23年に開設を目指すサンドニ・プレイエル駅には、新設や延伸などで5線の地下鉄が走るほか、RER(首都圏高速鉄道)などが通る予定だ。

 

乗降客数は1日当たり20万人規模で、工事費は約2億800万ユーロ(約280億円)を想定している。

 

 建設予定地の周辺は、既存の線路によって東西に分断されていた。

 

西側は企業が集まり、高層ビルの建設計画が持ち上がるなど発展が目覚ましい。

 

半面、東側は開発が遅れていて、東西で格差が広がっていた。

 

 

建設予定地には現在、レンタカー会社の建物が立っている。資料は上が北。南北に既存の線路が走り、東方向には1998年にサッカーのワールドカップを開催したスタジアム「スタッド・ド・フランス(Stade de France)」がある(資料:隈研吾建築都市設計事務所)

 

 

 隈氏の提案は地下4階、地上4階建てで、延べ面積は約4万5000m2。

 

既存線路の上を約280mにわたって横断し、別の設計者が担う橋と組み合わせる構成とした。

 

コンペの時点では駅以外に、商店やコワーキングスペース、マルチメディアライブラリーなどの機能を入れる予定だった。

 

16年3月の取材時点では、さらに文化施設を移設する計画も検討していると言う。

 

 プランでは複数のフロアに公共性の高い場所を設ける。

 

地面から屋上まで折り重なるように続くスロープ状の屋外テラスが、それぞれのフロアをつなぐ。

 

そのスロープが建物の内部と外部、建物と橋を、それぞれ連続的につなぐ役割を持つ。

 

 

スロープ状の屋外テラスが建物と、街や橋とのつながりを生む(資料:隈研吾建築都市設計事務所)

 

 

既存線路の上に架ける橋と新駅は同時期に建設する予定で、屋外テラスで接続する。隈氏は提案の中で、橋を途中で枝分かれさせて、南側にペデストリアンデッキを伸ばす形を描いた(資料:隈研吾建築都市設計事務所)

 

 

サンドニ・プレイエル駅周辺の交通機関を示した図。橋によって東西エリアをつなぐ予定。図は上が北(資料:隈研吾建築都市設計事務所)

 

 

建物中央に配置するアトリウムのイメージ。建物の外装と内装どちらにも木材を多用する予定(資料:隈研吾建築都市設計事務所)

 

 

新駅の断面図。中央にアトリウムを設け、トップライトで地下まで光を届けて全体を明るく照らすようにする(資料:隈研吾建築都市設計事務所)

 

 

駅のホームのイメージ。内装にオーク材などの木材を使う予定(資料:隈研吾建築都市設計事務所)

 

 

グラン・パリ計画で予定されている鉄道計画。緑色の丸印で囲んだ部分が、隈氏が設計しているサンドニ・プレイエル(Saint-Denis Pleyel)駅。図は上が北(資料:Societe du Grand Paris-Avril 2016)

 

 

街から見たサンドニ・プレイエル駅のイメージ。街と前庭、建物をつなげて、人が自由に行き来できるようにする(資料:隈研吾建築都市設計事務所)

 

 

サンドニ・プレイエル駅のエントランスホールのイメージ(資料:隈研吾建築都市設計事務所)

 

 

直線が美しい~

パリらしい雰囲気

素晴らしい!!!

是非行ってみたいなーーー

 

 

出典=https://tech.nikkeibp.co.jp/kn/atcl/bldnews/15/053100683/