アンドロメダ銀河と衝突・合体するまでの物語が書き換えられる

 

 

新たに公開されたアンドロメダ銀河(M31)の写真。米国カリフォルニア州のツビッキー観測装置が撮影した。(PHOTOGRAPH BY ZTF/D. GOLDSTEIN AND R. HURT (CALTECH))

 

 

 私たちの住む天の川銀河は、近くにある銀河としては最大のアンドロメダ銀河にいつの日か衝突する運命にある。

 

これは、科学の世界ではすでに予言されていることだ。

 

そして、衝突の衝撃によって巻き起こった塵が晴れ上がる頃には、どちらの銀河もかつてのような姿をとどめてはいない。

 

最初の接触から10億年以内に、2つの銀河は合体して、今よりもはるかに巨大な楕円銀河が誕生する。

 

 欧州宇宙機関は、ガイア宇宙望遠鏡でアンドロメダ銀河内部の星を測定し、2つの銀河の衝突が、いつ、どのようにして起こるのかに関する従来の予測を修正した。

 

 

 これまで、天の川銀河とアンドロメダ銀河は39億年後に衝突すると予測されていたが、天文物理学の専門誌「Astrophysical Journal」に2019年2月7日に発表された研究結果は、衝突時期がそのさらに6億年先の45億年後になると予測している。

 

また、正面から衝突するのではなく、車のサイドミラーに当たるように最初は軽くこする程度になるという。(参考記事:「銀河衝突の結末をNASAがとらえた、3億光年先」

 

 論文の著者で宇宙望遠鏡科学研究所に所属するローラン・ファン・デル・マレル氏は、「全体の流れはそれほど変わりませんが、厳密にいうと軌道が異なります」と話す。

 

 

新しい予測は朗報?

 いずれにしても衝突は避けられない。

 

アンドロメダ銀河は現在、地球から約250万光年の距離にあり、時速40万キロで接近している。

 

 1921年にこの事実を発見したのは、初めて望遠鏡でアンドロメダ銀河を観測し、その動きを測定したベスト・スライファーである(スライファーは、それが銀河であることを知らなかった。

 

当時、アンドロメダは天の川銀河の中に存在する星雲であると考えられていたが、スライファーの計算は言うまでもなくその考えを改める必要があることを示唆していた)。

 

 後に、ハッブル宇宙望遠鏡によってアンドロメダ銀河の動きを測定することに成功。

 

これが、銀河同士が正面衝突するか、脇をかすめる程度になるのかを決定する。

 

その観測を基に、2012年にファン・デル・マレル氏の研究チームは約39億年後に正面衝突が起こると予測していたのだが、それが今回修正された。(参考記事:「銀河系とアンドロメダ、40億年後に衝突」

 

「ある意味、これまで知られていたことにマイナーな修正が加えられただけですが、興味深いです」と、米カリフォルニア大学サンタクルーズ校のブラント・ロバートソン氏は言う。

 

 

(NASA; ESA; F. PARESCE, INAF-IASF, BOLOGNA, ITALY; R. O’CONNELL, UNIVERSITY OF VIRGINIA; WIDE FIELD CAMERA 3 SCIENCE OVERSIGHT COMMITTEE)

 

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ガイアの計算はハッブルとどう違うのか

 ガイア宇宙望遠鏡は、アンドロメダ銀河の内部で明るい星1084個の動きを測定した。

 

次に、ファン・デル・マレル氏のチームは、その観測結果からアンドロメダ銀河の回転率を初めて計算、さらにこの銀河の横方向の動きも新たに計算し直した。

 

 横方向の運動を観測することは、「この距離では恐ろしく困難」であると、米ワシントン大学のジュリアン・ダルカントン氏は言う。

 

 新たな計算結果を基に、研究チームはコンピューターモデルを使ってアンドロメダの軌道を描き直した。

 

そして早送りすること数十億年、天の川銀河までの軌道はこれまでの予測から少しずれ、衝突の時期が遅れ、顔面パンチではなく脇をかすめる程度になると予測された。

 

 

 

 

【動画】アンドロメダ銀河の無数の星々を3分で見る

2015年1月、NASAはハッブル望遠鏡が撮影した過去最大のアンドロメダ銀河の写真を公開した。映像制作者のデイブ・アクテミチャック氏がこれを使って見事な映像を作成した。

 

 新たな予測では、最初の接触が今から45億年後に起こるとされている。ダルカントン氏は、それほど驚くことではないと話す。

 

「数十億年単位の話をしていますから、現在の動きにほんのわずかでも変化があれば、時を経るごとにその差がどんどん広がるのは当然でしょう」(参考記事:「アンドロメダ銀河が2つの巨大な「泡」を噴出?」

衝突はどのようにして起こるのか

 まず、両銀河は約42万光年離れた位置まで接近する。

 

互いに直接交わるほどの距離ではないが、銀河系には膨大な量のダークマターが含まれており、それらが集まってできたダークマターハローが、すれ違う際互いのダークマターハローに引っかかってしまう。

 

「それによって摩擦が生じ、銀河系の移動速度が落ち、エネルギーが失われ、お互いぐいっと引っ張られるようにしてぶつかってしまいます」と、ファン・デル・マレル氏。

 

 つまり、2つの銀河系はUターンするようにして衝突する。そして互いをすり抜けると、ぐるりと回ってまた衝突する。

 

これを何度も繰り返して、やがて1つの銀河になる。(参考記事:「天の川銀河、100億年前に小銀河をのみ込んだ」

 

 

その時地球の運命は

 これは元の予測にも当てはまることだが、45億年後にまだ地球上に生命が存在していたとしても、両銀河の合体が生命に及ぼす影響はほとんどないと考えられている。

 

宇宙は広大で、星々は互いに遠く離れているため、たとえ銀河同士が衝突したとしても、個々の星が直接衝突することはまずないからだ。

 

「巨大な楕円銀河の中で、軌道は変わるかもしれませんが、地球は変わらず太陽の周りを回り続けるでしょう」と、ファン・デル・マレル氏は言う。

 とはいえ、頭上で繰り広げられる宇宙のライトショーはさぞや壮大な見ものになるだろう。

 

2つの銀河が近づくにつれ、夜空に浮かぶアンドロメダ銀河はぐんぐんと大きくなり、やがて天の川銀河の重力の影響を受けて形が歪んでいく。

 

そして、銀河同士のUターンと衝突が始まると、圧縮されたガスが爆発を引き起こし、新たな星が誕生する。

 

「そうなったとき、夜空には最高に美しい光景が広がるでしょう」

 

 問題は、美しい夜空に気付く生命体が、そのとき地球上に残っているかどうかだ。

 

その頃には、太陽は赤色巨星へと変わり始めている。

 

これは、恒星の一生では自然な成り行きだ。この過程で太陽は明るさを増し、膨張し、水星と金星をのみ込む。地球も熱さで燃え上がっているだろう。(参考記事:「21年後に巨大ブラックホールが衝突へ」

 

 

 

45億年後に人類滅亡かと思ったら

衝突はしない模様~

でも、、、、、、、

太陽がその前に膨張して地球が燃える。。。。

先手打って 人類はどこかへ移住するかも~

なんてネ!!!

 

 

出典=https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/021300100/