集成材を使いこなす(1)、大船渡消防署住田分署(岩手県住田町)

 

岩手県住田町に木造の消防署が2018年3月に完成した。

 

車庫を含めて全て木造の消防署は全国でも珍しい。ふんだんに木材を使える状況から、貫(ぬき)式木造ラーメン構造を採用。

 

その架構を見せ、周辺の歴史的な町並みとの調和を図ると同時に、町をリードする木造建物を目指した。

 

 

 岩手県住田町は「森林・林業日本一のまちづくり」計画を掲げ、役場庁舎の周辺に「木質の中心市街地」の形成を予定している。

 

以前は町外れにあった「大船渡消防署住田分署」も、老朽化による更新時期を迎え、町は役場庁舎の隣接地を取得。

公募型プロポーザルで設計者にSALHAUS(サルハウス、東京都千代田区)を選んだ。

 

 延べ面積は約800m2、構造は木造を主体とすることが条件だった。住田町は江戸時代に街道沿いの宿場町として栄えた歴史があり、敷地の近くに残る歴史的な町並みとの関係を視野に入れることも求めた。

 

 

断面図

 

 

貫(ぬき)を垂直方向に重ねた量感あふれる木造架構だ。SALHAUSの安原幹共同主宰は「大空間になる車庫の上部に、雲のようにもくもくした架構があるイメージは初めからあった」と話す(写真:吉田 誠)

 

 

北東から見た全景。車庫は床面積が50m2を超えるので、奥側に配置した諸室とは異種用途区画を設けたうえで、スプリンクラーと排煙窓を設置して内装制限を緩和している(写真:吉田 誠)

 

事務室は1階エントランスホールの階段を上がってすぐの場所にある。右手は車庫の吹き抜けに面し、左手からは訓練広場を見渡せる(写真:吉田 誠)

 

 

署員以外も利用するエントランスホールは、入りやすい雰囲気に。奥の階段を上がると、町を一望できるルーフテラスに出られる。屋根と2階床、階段の踏み板にはCLTを使用(写真:吉田 誠)

 

貫架構を垂れ壁状に重ねる

貫は2段で設けるのが基本。車庫は長手が4段ある。プロポーザル後の設計で3~6段に増えたところもあるが、プロポーザル応募時の初回の打ち合わせで、佐藤氏がその場で算出したものがベースになっている

断面詳細図

 

 

 

軸組みは井桁状に組んだユニットを基本とする。込み栓はCNC加工機で刻むことから丸棒に。梁せい360mmはプロポーザル応募時から変わらない。プロポーザル前は製材利用を想定して柱を240mm角で考えていたが、貫効果を上げるために300角とした

 

 

右手は2014年竣工の役場庁舎。町産の中断面木材を使った木造。意匠設計に松永安光氏(近代建築研究所)、構造設計に稲山正弘氏(ホルツストラ)が参画(写真:吉田 誠)

 

 

2階平面図

 

 

1階平面図

 

消防署が木造なんてすばらしい!!!

親しみやすい~

いいなーーーーーーーーー

 

 

出典=https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00507/110900001/