猫のマックスが死んでしまった、、

 

自分でもびっくりするほど俺は悲しみに打ちひしがれた。

 

マックスは嫁を自分の母親だと思ってよく懐いていた。

娘のことは姉妹だと思っていつも一緒に寝ていた。

 

俺にはが気分が向いた時だけ甘えてくる。

甘えてくるとやはり可愛くてナデナデしてあげるのだが、いきなりガブッと噛みついてきたり爪を立てて引っ掻いてくる汗そうなることはわかっているのに俺はマックスの可愛さに騙されつい油断してしまうのだ。

 

マックスは好き嫌いが激しく魚系の餌は一才食べなかった。いつもチキンやビーフの肉系の餌のみしか食べない。こんな偏った食生活で長生きは望めないと思っていたが、ついにその日がこんなに早くやってくるとは、、、

 

マックスが亡くなる数日前に、ロサンゼルスに住んでいる娘の夢に出てきたそうだ。

 

マックスは

死ぬのが怖いよ〜。ねえね〜怖いから子守唄歌って〜。

 

娘は

マッチ、大丈夫よ。怖くないよ。ねえねが歌ってあげるからね。怖い時はねえねを呼ぶといいよ。守ってあげるからね。

 

娘の夢を通してマックスの死が近づいていることを知った俺は泣いた。

嫁も泣いていた。

 

 

そして、昨日の朝、マックスは独り虹の橋を渡ってしまった。

 

 

庭の紫陽花の木の下にマックスを埋葬しお線香を立てた。

お線香の煙は風に吹かれることなくまっすぐと空に上がっていった。

 

1時間ぐらい経った頃に嫁がマックスの埋葬した場所を見に行くと茶色の鳩が二羽ウロウロしていて嫁が近づくと空高く羽ばたいて行ったらしい。

 

茶色の鳩が二羽いたの!マッチを迎えにきたのかも。

 

モモをオシッコに出した時、モモはマックスの埋葬した辺りに近づきクンクンと匂いを嗅ぎ始めた。そして何かギョッとしたリアクションをした。

 

マックスの匂いがしてマックスが埋められたことを気づいた様子だった。

 

モモは慌てて家の中に入り娘のベットの上に上がりブルブルと震えていた。

 

マックスの死がショックなのか、

それともマックスが埋められたことがショックなのか、、

それとも俺たちがマックスを殺めたと勘違いしたのか、、

 

モモは異変を感じ恐怖に怯えていた。

俺から身を隠し、ごはんにも口を付けなかった。

 

その状態は夕方まで続いた。

 

俺の悲しみは丸一日続いたが一夜明けると随分吹っ切れた。

 

嫁は俺の前では泣かないように頑張っていたようだ。嫁の悲しみは俺の百倍は大きいはずだが俺の悲しみをこれ以上誘発しないように気を遣って俺の前では泣かないようにしていたようだ。

 

 

嫁は

 

マッチは次、人間に生まれ変わると思う。ねえねの子供になるんじゃないかなぁって思うの。だって ”怖い時はねえねを呼ぶといいよ。ねえねが守ってあげるからね。”って言われたでしょ。それが約束の言葉になったはずだから、きっと私たちの孫になって帰ってくるの。

 

 

嫁は大概にしていつもそういう不思議なことを言う。

しかし今回はちょっとそういうのも信じてみようと思う。マックスが俺の孫に生まれ変わると考えると悲しみが吹き飛び、少しばかり楽しみになる。