人を育てるにはけなすより褒めることが大事
この本の中に書かれている重要感を認めるために出来ることの例として挙げられているのは、アメリカで週給50ドルが、かなりの高給とされていた時代に、年俸100万ドル以上の給料を取った数少ない実業家『チャールズ・シュワップ』の言葉です。
「私には、人の熱意を呼び起こす能力がある。これが私にとっては何ものにもかえがたい宝だと思う。他人の長所を伸ばすには、ほめることと、励ますことが何よりの方法だ。上役から叱られることほど向上心を害するものはない。私は決して人を非難しない。人を働かせるには奨励が必要だと信じている。だから、人をほめることは大好きだが、けなすことは大嫌いだ。気に入ったことがあれば、心から賛成し、惜しみなく賛辞を与える。」
パワハラの問題が書かれている記事を見たことがありますが、男性社会は縦社会だということをよく聞きます。
そういう事情もあって、自分にないものを見つけても“褒める”ということをしないのかもしれません。
私は女なので良く分かりませんが、その才能が、会社には必要ながいと思い込んでいる場合もあるかもしれません。
もちろん法律に触れる行為は叱られて当然だと思いますが、モラルで締め付けられて身動きのできないような状態とい うのが果たして良いものかどうかと考えます。
認められたいための犯罪や病気
カーネギーは自己の重要感に対する欲求というのは、人間を動物から区別している主たる人間の特性だと書いています。
無教養で貧乏な一食料品店員を発奮させ、彼が以前買い求めた数冊の法律書を、荷物の底から取り出して勉強させたのは自己の重要感に対する欲求だった。
この店員の名はあの【リンカーン】だというのですから、いかに大切な欲求であるか考えさせられます。
最新流行のスタイルを身につけたり、自家用の新車を乗り回したり、わが子の自慢話をするのもこの欲求を満たすためにしていることだということも書かれています。
この自己の重要感を満たす方法は人それぞれで、その方法によってその人間の性格が決まってしまうもので、寄付をする人もいれば自己の重要性を求めた挙句殺人犯として名を残すまでなってしまった人もいるというのですから、人というのがどれほど重要感を求めて生きているものなのか改めて考えさせられるものがあります。
日本では最近うつ病になる人が増えているようですが、この本の中には現実の世界で満たされない自己の重要感を求めた結果、精神の病にかかる人がいるということも書かれています。
それほどまでに満たしたいと思うのに、なかなか満たすことができない“自己の重要感”を満たす手伝いをする方法については次の記事から書くことにします。
人が欲しがるものの中で手に入りづらいのは
人間は何を欲しがるか?
カーネギーは普通の人間が欲しがるものとして下の8つを上げています。
1.健康と長寿
2.食物
3.睡眠
4.金銭および金銭によって買えるもの
5.来世の生命(来世に名を残すという意味だと思います。)
6.性欲の満足
7.子孫の繁栄
8.自己の重要感
この8つの要求はたいていは満足できるものだけれど、ひとつだけ例外があって、その欲求は食欲や睡眠欲求と同様に根強いのにめったに満たされることがないもの。
“自己の重要感”
偉くなりたいとか重要人物になりたいという願望や重要人物たらんとする欲求のことで、心理学者ウィリアム・ジェームズは
「人間の持つ性情のうちでもっとも強い物は、他人に認められることを渇望する気持ちである。」
と言ったそうです。
このところ『草食系男子』などという言葉を見かけますが、女性が男性を頼もしいと思えない状態になってしまうと、男性は自己の重要感を満たされることが少なくなってしまうような気がします。
女性が社会に進出するようになって、我慢の時代ではなくなったからということもあるのかもしれませんが、女性は本来“勝ち負け”の世界に没頭できるように出来ていません。
私も働いていますが、社会で闘っている男のに姿を実際に見ることで“見直す”ことが出来るようになりました。
自己の重要感を満たすために起きた事件などについては、次の記事で触れたいと思います。