1 アドラー心理学は「劣等感」の心理学ではない

 共同体感覚とはアドラー心理学でもっとも大事なキー概念の一つです。よくアドラー心理学のことを「劣等感の心理学」と記述してあることがありますが、これはある意味で嘘です。

 現代のアドラー心理学では劣等感はそれほど重視されていません。(劣等感という概念と言葉がアドラーによって創り出されたのは間違いないですが。)

 創始者のアドラーですら、フロイトと袂を分かった頃には既に劣等感については以前ほど重視していませんでした。

 第一次世界大戦に従軍して帰ってきたアドラーは友人や学生たちの前で「今日の世界が主に欲しているものは共同体感覚であると思われる。」と言っています。(「現代アドラー心理学」マナスター/コルシーニ著より)


2 フロイト派の主張

 なぜ、「アドラー心理学は劣等感の心理学」という誤解が今も続いているのでしょうか?

 それは初期のアドラー(フロイトの研究仲間だったころ)が劣等感のことを主張していたからです。

 フロイトと別れた後のアドラーがどれほど理論と実践を発展させたか知らないフロイト派精神分析の人たちが言っているだけ、と言われています。

 私の知っているアドラー心理学は「共同体感覚の心理学」です。


3 共同体感覚って?

 しかし、共同体感覚って難しいのです。はっきり言って分からないのです。どうも、頭で理解するようなたぐいのものではないようです。

ドライカース(アドラーの後継者の一人)は次のように言っています。

「共同体感覚というのは、ある集団や階級への単なる所属感とか、民族全体への奉仕を意味するのではありません。<中略>
 共同体感覚には固定化された目的はありません。それは、人生への態度を創り出すこと、何らかの方法で他の人々と協力したいと望むこと、人生の諸状況に精通することであると言った方が、より真実に近いかもしれません。
 共同体感覚は、相互協力に対する私たちの受容力の表現法なのです。」
(「アドラー心理学の基礎」宮野栄訳より)


4 「協力しよう!」という本物の意欲

 とにかく、何というか、他の人たちと協力して、みんな幸福に生きていこうという意欲のようなものらしいのです。「人は一人では生きていけないものだから」というわけです。

 確かに「みんなのために貢献したい。」「みんなから受け入れられたい。」って気持ちは人間だれしも持っていますよね。

 人間って周囲に受け入れられないと自殺さえしますから。個体の生存よりも集団への所属の方が優先する生き物なのです。


5 「共同体感覚」の成長

 そして、自分の人格をより成熟したものに成長させていくと、この共同体感覚も発展していくのです。

 なぜなら、人格が成熟するというのは、自分自身も、そして周囲の人も同時により幸せになるように人生への態度が変化していくということだからです。

 とにかく、共同体感覚って「みんなが幸福になるように、みんなと協力していきたい」と思う感覚なのです。その共同体感覚の根っこはどの人も持っているのですが、経験や自分自身を成長させていこうとする努力によって、共同体感覚はより成熟していくのです。

 そして、成熟するに従って、共同体感覚の対象が自分の仲間内の小さな集団から、より大きな集団へと発展していくかもしれません。

 自分だけ→家族のこと・職場のこと→地域全体→日本全体→現在の人類全体→未来の人類→地球環境→宇宙 かな?

 まあ、人によって違うかもしれません。


6 より大きな集団の幸福を考えてみませんか?

 みなさん。今の自分の生活も大切ですが、たまには「周囲の人々が幸せになるように」とか「未来の日本がもっと幸福な社会になるには、今の自分は何をしたらいいか。」て考えてみませんか?

 自分の行動に迷ったとき、客観的に自分が考えられる範囲のもっとも大きな集団にとって建設的かどうかと考えることが共同体感覚の発動につながります。

 アドラーカウンセリングでは、クライエントさんに、その方の共同体感覚がより発展するような提案をします。

 自分のことばっかり考えていないで、周囲の人のために何かできませんか?ということです。

 なぜならば、その方が幸せを感じるように、人間という種族はできているのだと思うのです。これは私の経験とクライエントさんたちの傾向からの実感です。

 共同体感覚の成長は人を、そしてその周囲の人々を、そして共同体を幸せに導くのです。

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