木曜レビュー[ドラマのこころ] デビルスアワー(2022) | こころの臨床

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心理学は、学問的な支えも実践的身構えも、いずれも十全と言うにはほど遠い状況です。心理学の性格と限界を心に留めつつ、日本人が積み重ねてきた知恵を、新しい時代に活かせるよう皆さまとともに考えていきます。

アマゾン制作の6回もののドラマ。

 

ジャンルとしては、前にご紹介した(ドイツ語音声での字幕視聴推奨の)『治療島』と同じくホラーファンタジーに入るのかな。Dr.Who 俳優でもあるピーターパカルディさん出演。

 

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なぜ、今回、ご紹介したくなったかと言えば...この初夏にかけて、ブックレビューでご紹介してきた「箱庭」にちなんで、といった、やや謎の動機。あの島国の文化に惹かれるんやなあ〜。

 

 

 

 

舞台は、ロンドン。主人公は、不眠症(悪夢になやまされ、毎晩同時刻に覚醒)のソーシャルワーカー。一人息子のアイザックは情緒?に問題があり、児童精神科にかかっています。

 

 

 

 

受診では主に、母と女医ベネット先生との対話がなされ、その傍でアイザックはいつも黙って砂を触っています。

 

これは現代劇なのですが、かつて、メラニー=クラインやアナ=フロイトと並び「遊戯療法の先覚者(岡田康伸『箱庭療法の展開』1993)」であった、ローウェンフェルトの方法論が現在も、普通に??使われていることが興味深かったです。

 

 

イギリスの児童支援に在り方が、前に『海賊爺ちゃんの贈り物』でのご紹介のときとおなじく、日本での実践実態と比べながら、このスリラーではあるけど、一種の〈癒し〉の物語を味わうのもいいかも。