公認心理師 過去問研究[1040] 第7回悉皆検討〈13〉高次脳機能障害 | こころの臨床

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第七回公認心理師国家試験問題(2024年3月3日実施)

問13  コインをつかむことができない、ボタンをかけることができないな ど、動作の稚拙さを特徴とする高次脳機能障害として、最も適切なもの を 1 つ選べ。 

1)  観念失行
2)  構成障害
3)  身体失認
4)  観念運動失行
5)  肢節運動失行 

 

 

 

 

解は、5

 

1)  観念失行:物の名前や用途は説明できるのに、慣れているはずの物の使用、日常の一連の

        動作を順序正しく行えないこと
 

2)  構成障害:二次元、三次元の形態について、その形態を構成している各要素を空間的に配

        置することが困難な病態
 

3)  身体失認:片側身体に関する喪失感・変形感・異物感等、異常な認知経験

       「高次脳機能障害としての妥当性・発現機序には、議論が多い。(峰岸,1999 ↓)   

https://www.jstage.jst.go.jp/article/ninchishinkeikagaku1999/1/Special/1_Special_12/_pdf/-char/ja

          

4)  観念運動失行 ideomotor apraxia:自発的運動であれば可能だが、口頭指示・模倣によ

        る習慣的な運動や簡単な動作(身振りなど)が再現できない。
 

5)  肢節運動失行 Limb-kinetic apraxia asomatognosia:運動麻痺や感覚障害がないにも

                      関わらず、硬貨をうまくつかめなかったり、ボタンを上手にかけられなくなる。

 

 

高次脳機能障害の診断基準

http://www.rehab.go.jp/application/files/3115/1669/0095/3_1_04_1.pdf

 

 

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