公認心理師 過去問研究[132] 教育現場〈63〉ライフサイクルと心の健康 | こころの臨床

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心理学は、学問的な支えも実践的身構えも、いずれも十全と言うにはほど遠い状況です。心理学の性格と限界を心に留めつつ、日本人が積み重ねてきた知恵を、新しい時代に活かせるよう皆さまとともに考えていきます。

第二回(2019.8.4)

問19  ライフサイクルと心の健康の関わりについて、正しいものを1つ選 べ。 

1  人の心身の発達は、成人期でピークになると考えられている。
2  女性の更年期障害は、閉経後に様々な身体症状や精神症状を来す病態である。

3  青年期は、統合失調症、うつ病、社交不安症などの精神疾患の発症が増える時期である。

4  各ライフサイクルにおいて対応を要する問題は、疾患の種類にはよらず年齢によって

  決まる。

5  認知症は老年期に発症する病気であるため、成人期における認知機能の低下の原因として

  は別の疾患を考える。

 

 

 

 

解は、3。 ただし、以下の諸事情を考えると優れた設問とは言い難い。

 

1   「生涯発達」という考え方がある。だが、いずれにしても思弁的仮説。

2     一般的・客観的事実として閉経前後に来す病態。

4   常識に照らして、除外。

5     これは、迷う。64歳以下での発症を「若年性認知症」とよぶが、「成人期」の定義が

     この問題では厳密になされていない。少なくともよく用いられるエリクソンの発達段階

   なら「壮年期」の名称を宛てられている年代も含むと想定されるので、消去法としては

   グレーな除外となる。

  

 

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