ネット上で正義を行使するために、誰かを「〇〇主義者!」や「〇〇するのは〇〇だ!!」と糾弾するチャンスを見つけたとき、麻薬中毒者がコカインを見つけたときと同じ脳の部位(報酬系)が反応する。誰かを正義によって悪だと断じ糾弾することは、依存症と同じメカニズムによって、罪悪感を感じることなく興奮と快感を得ることができるのだ。
それが集団化するとさらに歯止めのきかない状態となり、集団リンチのようなバッシングに至り、焦り苦しむ相手を見ること自体に脳内報酬系が活性化し、快感や喜びが生じるようになる。
まだ未熟な青少年だけではなく、社会的地位もあり心理的にも成熟している(はずの)大人も夢中になって罵っている様は、側から見るとちょっと異様だ。
その裏に潜む心理的問題(たとえば欲求不満やコンプレックス等の捌け口として)に自ら目を向けることができれば、「そもそも正義とは何ぞや」というところから考える余裕も生まれるのではないだろうか。
もちろん冷静かつ論理的に、明確な論拠によって「〇〇」についての批判を展開する人もいる。その場合「正義 vs 悪」という立場はとっていない。
匿名性によって、「報復される脅威」に対する心配のないソーシャルネットワークは、悪意のコストをさげ、正義の行使という快感と利益を倍増させる。
などといいつつ、私がジェームズ・ボンドや椿三十郎やジョン・マクレーンやジャック・ライアンやガンダムが大好きなのは、彼らが巨悪?に立ち向かい叩き潰すときの快感が、もうたまらないから。