自己実現て? | すべてはうまくいっている! 光と心の調和

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横浜の心理カウンセラー ロキのつぶやきブログ。
その人がその人らしく
『生まれてきてよかった!」
と思える人生のために。

私の若い頃、「自己実現」という言葉が流行ったことがある。

「自己実現」はもともと心理学用語であったものだが、そのうちに経済学や巷の人生哲学などでよく使われるようになり、いつの間にか単純に「自己実現=夢を叶える」といったような概念として広く一般化した。

「自己実現」・・・最近でも使われているのだろうか。

最近ブログを書くのに必要で、心理学関連の本やノートを手当たり次第読み直している。そのなかで何人かの心理学者が自己実現論を展開しているのだが、アブラハム・マズロー自己実現理論はあらためて印象に残った。

マズローは幼少期から酒と女に走った父親と宗教に嵌った母親に育てられ、親を反面教師として育った心理学者。そのせいかどうかは分からないが、心理学に創造性や倫理、神秘体験などを取り入れているのが特徴。

したがってマズローの自己実現理論は客観的・分析的なものではなく、自己実現した著名人(アインシュタイン、シュバイツァー、鈴木大拙etc.)や至高体験のある一般人のデータをもとに、多大な修正と検討を繰り返しながら構築したものを定義としている。

マズローは「人間は自ら成長しようと欲求を抱いている」とする点に着目し、その基本的欲求を5段階に分けてピラミッド型に表現した「欲求段階説」を唱えた。

下から生理的欲求→安全の欲求→所属と愛の欲求→承認の欲求(ここまでの4つは欠乏欲求)→自己実現の欲求(達成欲求とし、自己実現の欲求(Self-actualization)を最も難関として最上階層に位置づけている。

最も原始的な欲求を生理的欲求とし、欲求は下から順次満たされていくもので、途中でどれかの欲求が満たされないと、次の欲求が充足することはできないとした。

マズローは、自己実現できる人とはどういう人間かを次のような特徴で挙げている。

1. 現実を的確にとらえ、より快適な関係を保つ
2. 自己、他者、自然をあるがままに受け入れる
3. 考えや行動が自由で自然かつシンプルである
4. 自己中心的ではなく課題中心的
5. 他者へのプライバシー欲求の超越
6. 文化と環境からの独立、能動的人間、自律性
7. 常に認識を新たにする
8. 至高な神秘的体験がある
9. 共同社会感情
10. 少数の人と深く満足できる人間関係を形成できる
11. 人類の幸福への関心
12. 手段と目的、善悪の判断の区別
13. ユーモアがある
14. ひじょうに創造的である
15. 文化的になることへの抵抗・超越


なるほど、うんうん、意外だ、そうかな?・・・・
納得できる項目、できない項目、いろいろ感じると思う。


カウンセリングでは1の感じがクライエントさんが力を付けてきた証だけれど、私が特に注目するのは13「ユーモアがある」という項目。

ここでいうユーモアというのは、面白いことを言えるかどうかということではなく、「自分を笑えるか」ということ。つまり、自分自身を笑い者にできるかどうか。

社会心理学者のゴードン・オールポートも「成熟した人間の定義」として、自分自身を笑いの対象にできるユーモア感覚を挙げている。

他人を笑い者にするのではなく、自分自身を笑う。つまり、自分を客観視したうえで笑い者にできる余裕をユーモアとしているのね。

ものすごい苦境に立ったときに、自分の状況を笑い飛ばしながらもそれに立ち向かっている人はひじょうに魅力的に感じる。

苦悩と悲しみのなかにいた人が、「わたしってほんとうにバカみたい」とかすかに微笑むことができるようになったとき、心理的に大きく前進している。

10「少数の人と深く満足できる人間関係を形成できる」というのはどうだろう。「多くの人」ではなく「少ない人」というところがミソ。

100人の友だちなど必要ない。八方美人的に、誰にでも愛想よくする必要も、好かれる必要もない。

過度の執着も依存もない、互いに尊重し理解し尊敬しあえる関係。

長い人生の中で「この人」といえる人と出逢えたら、それがたとえたった一人であろうも、それだけでこの世を生きてゆく価値がある。といったら言い過ぎかな。

自己実現のためだけではないが、ほんとうに苦しいとき辛いときに、その気持ちをありのままに話せる人を、ひとりつくってほしい。周りにどうしてもいないときには、自分に合った信頼できるカウンセラーをなんとか見つけてほしい。

心が折れそうなとき、他者にすべてを受け入れ聴いてもらう。これは心理的苦境を乗り越えるとき、とても重要なことなのだ。


マズローは基本的欲求を5段階に分けたと書いたが、晩年には「自己実現」のさらに一段階上に6段階目の「自己超越(self-transcendence)」という概念を加えた。

自己超越者の特徴として11項目を挙げているけれど、なんだか悟りをひらいた聖者のような特徴でね・・。そのなかで笑ったのがヾ(ーー )ォィ、最後の項目の「外見は普通(very normal on the outside)」というの。

「外見が普通・普通ではない」の定義は何なのだとマズローさんを小一時間問い詰め(以下略)。

ところであなたの自己実現とはなんですか?


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