院長の長島です。6月から診療報酬が改定されます。
最近の重点課題は「物価高騰・賃上げへの対応」「デジタル化の推進」に加え「予防・口腔機能管理の強化」を方針としています。
保険医療機関は他の点数が減算される分、この方針に逆らってはやっていけない状況になりつつあり、前回の改定から導入されたベースアップ評価料に対しては、今後さらに加点されることが明記されています。これは初診料、再診料に加点され、診療費の上乗せ分を従業員の賃上げに使用するというものです。前回改定時にも触れたのですが(2024年9月号)、通常の施設基準は患者さんのために感染対策や小児・高齢者の機能訓練を行う体制を整えたり、CTや顕微鏡など設備を整えることで加点されるものですが、このベースアップ評価料は患者さんのためのものではありません。また経営者としては算定することで強制的に賃上げをさせられることも腑に落ちません。
もちろん医療従事者の賃上げは喜ばしいことではありますが、それだけでは実質賃金はあがりません。もっとシンプルで日本全体が恩恵を受けるような減税や社会保険料の見直しに予算を回した方が物価対策となり、実質賃金を押し上げ、景気がよくなり好循環となることが期待できるのではないでしょうか。
今回さらに話題となっているものがキャンセル料の徴収です。こちらはニュースでも取り上げられたみたいで気になる方も多いかと思います。通常の診療予約にも適応されるのか、選定療養の予約診療だけが対象となるのか、5月末になっても解釈が判然としないため分かりかねますが、常識的なキャンセル料を決めて事前に患者さんの同意書へのサインが必要だということです。
キャンセルはある程度仕方のないことだと思いますが、医療機関側としては当日であってもご連絡を頂ければその時間を他の方に有効に使うことができるため、ありがたいです。一方で無断キャンセルはどの業界であっても非常識であり、受診においてペナルティを課されてもやむを得ないと思います。
当院では最近なかなか予約が入りずらい状況になっています。またなぜかびっくりする程遠方から来院の方が増えています。遠方にも関わらずこちらで治療をしたいとおっしゃる方には、できるだけ時間をとって早く終われるようにしたいのが心情です。また手術や型取りなど長時間の予約が必要な方もいらっしゃいます。そちらを優先している訳ではありませんが、そういう方の方が当たり前にキャンセルされる方よりも予約が取りずらい状況でもあります。
当院では今までベースアップ評価料は算定せず、独自にそれ以上の賃上げを行ってきました。しかしこれ以上国の方針に逆らって今後従業員が不利益を受けることは容認できません、今回悩んだ末にベースアップ評価料を算定をすることにしました。また私はあまり細かな面倒な決まりごとは好きではないので、無断キャンセルがこれ以上増えることがなければ、キャンセル料を徴収するつもりはありません。
今後も皆さまのご理解とご協力を頂ければ幸いです。