【結果報告】IH東京都支部予選 | わたしの「らんにんぐ★ふぃろそふぃー」

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走ることでいろんなことを学ばせてもらいました。それはある意味自分の人生哲学になりうるかなという思いで、日々思ったことをランニングネタで書いたり書かなかったり、ゆるく、ほそく、ながく続けていけたらなと思います。どうぞ、末永く見守ってやってください。

<お詫び>


随分報告が遅くなってしまいました・・・


試合が終わってからはいろいろ考えることあり、でもそれをここに書く余裕もなく、気づけばGWが始まりましたね。専門学校は今日からしばらくお休みなりますが、仕事と練習は年中無休です!!いろいろな方に応援していただき、励ましの言葉をいただき、結果も気にしていただき、本当に有難うございます。IH東京都支部予選の結果報告をしたいと思います。




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過日~
4月24、25日はIH東京都支部予選でした。以前日記にも書きましたが、とても重要で大切な試合です。この日のために本当に頑張ってきた生徒たちに『結果』を残させてあげたいというのが、指導者としての心のうちでした。結果至上主義と思われたら少し誤解がありますが、僕は勝つことで学ぶこと、勝つために取り組むことはすごく意味があると思っています。陸上“競技"という以上、勝負の要素は決してなくならないので、こだわってきました。

チームは指導者中心であってはいけないし、あくまで僕は黒子です。だから『勝ちたい』という思いだけが一人歩きしてしまえばチームがバラバラになってしまうし、そういうトップダウン的なカラーは出さずにきたつもりです。


贔屓目なしに、生徒達は1年間で見違えるように力もついてきたし、特に『リレーで都大会出場』がチームの目標としてはっきり意識するような集団になり、本当に成長したなという思いが強かったです。この日を迎えたこと自体に感極まりそうでしたね。当日はできるだけ平然としていたつもりでしたが、やっぱり緊張していました。一週間前の長野マラソンも相当緊張しましたが、それ以上だったかもしれないですね。。。



さて、2日間あるうちの初日に出場種目の多くが集中していました。席について見ている余裕は全然なく、ひたすら会場内を走り回ってました。どっしり腰を落ち着けたほうがいいのかなと思いながらも、幅跳びのピットに行ったり、スタート地点に行ったり・・・競技場狭し!!と言わんばかりに駆けずり回りました(笑)。

結果だけを見ると、順当にベストを出した生徒や悔し涙をのんだ生徒など、様々。なかなか努力と結果は正比例しないものだなと思いましたが、それぞれが自己分析し、それを僕のところまで報告しに来てもらうようにしているので、僕なりの所感を加えて励ましたり、カツを入れたり、一緒に喜んだりしました。


個人競技に関しては次のステージに進むのはまだまだ厳しいのですが、出場9選手中、自己ベストを出した生徒は7人。勢いもあったし、ムードはいいなと思いました。準決勝進出者もいましたが、わずかのところで都大会につながらず・・・その中でも特に、秋から不調を訴えていたチームのエースと唯一の二年生女子部員が快走してくれたので、収穫ありです。二人ともすごく素直で、練習熱心で、特に後者の女子部員走幅跳で一時は8位に入っていて、都大会圏内でした。正直記録的に都大会を狙うのは厳しいかなと思っていたのですが、見事な跳躍を一本目に見せてくれて記録をグンと伸ばしてくれました。それ以降はリキんじゃって記録は伸びませんでしたが、本人が一番びっくりしていましたね(笑)


個人種目はそれぞれがやってきたことの結果。そしてリレーはチームがやってきたことの結果です。運命のリレーは初日の最終種目です。どのチームもまさに一番ボルテージが上がる種目で気合十分だし、うちのチームも本当に良い精神状態でレースに臨めたと思います。最終コールに向かう直前に選手4人を集めて、声を掛け合い、チーム全員で円陣を組みました。実はマネージャーと相談しながらこっそりハチマキを作っていて、それを最後に渡しました。ハチマキに記した言葉は「掌(たなごころ)」。バトンをつなぐ一人ひとりの「掌」、チームの意志を引き受けた4人の決意を表す「拳」、そういう想いを込めて作ったハチマキです。サプライズでしたが、本当に喜んでくれて、改めて気合も入り、満を持しての出走です!!



出場組は1組3レーン。タイムレースなので、上からタイムの良い8チームが都大会出場です。春季大会の様子を見ていると、44秒5くらいが都大会への分かれ道になるかなと思っていましたが、他のチームのことや記録のことを考えるより、まずは自分たちが自分たちのレースをすることが一番大事。鳴り止まない鼓動を聞きながらスタート~


1走・・・

もともとサッカーをしていた生徒で2年生に上がるころに陸上部に入ってきてくれた子です。最初の頃はサッカーの癖がなかなか抜けず、膝は割れちゃうし、上半身はぶれるし、がむしゃらに走っているけど記録は伸びない・・・・という典型的なパターンでした。でも、最も緊張するであろう1走を任せられるくらいになったし、本人もハートが強いので、見た目は緊張してないような素振りを見せつつ、実は熱いヤツです。

【あぁ、ちょっと力んでるかな・・でも大丈夫!!いい位置だぞ!!勢いもあるし、各校選手からも遅れてない。いけーーーーー】


2走・・・

唯一の2年生であり、チームのエース。リレーで都大会出場を狙えると感じたのも、この子の入学のおかげといっても過言ではありません。普段は優しく、おとなしい印象ですが、殊陸上に関しては熱心で練習でもぶっちぎるし、この子に追いつこうという思いがほかの上級生の情熱に火を付けました。秋の大会の後から不調が続き、今回も直前に風邪をひいてしまい、前日ですら弱気だったのですが、持ち前の性格で見事に当日に合わせてきました。

【う-ーん、ちょっと詰まったな。でもすごくスムーズなバトンパスだし、加速もいい!!よーし、前を追えるぞ!!今日はすでに100mを2本走っているけど体はよく動いてる!!大丈夫。】


3走~

チーム一、クールで真面目でも時々見せるひょうきんな素顔が高校生らしいスキーヤー&スプリンターです。才能は平凡。でも誰が見てもチーム一努力してきた子です。最近は一番良く話をしていたかな。大学でも陸上をやりたいと言っているし、チームがだらだらしてるなという時は、大抵この子が雰囲気を締めてくれました。ロングスプリンターなので、今日は400mをすでに2本走っています。準決勝の後は表情は明るかったですが、やっぱり疲れは否めない様子で、ふと見せる疲労感漂う目は気になっていました。

【バトンパス。2走-3走間は特に高い技術を要求してきた区間だし、それだけ期待大!うん、悪くない!!さすがに疲れはあるかな。ちょっと体が重そうだな・・・】


4走~

苦労人の3年生。怪我をしてない時期がないんじゃないかと思うくらいの爆弾持ち。でもこの子がまさに、ミーティングで「リレーで都大会に行きたいっす」と声を振り絞って言ってくれた子です。体格に恵まれず、上背はあまりないですが、力強く地面をけり、流れるように走る、そんな子です。苦労してきたし、リレーにかける思いが人一倍強いのはよく分っていました。だからこそアンカーにこだわらせました。4走だけは入れ替えなく1年間やってきたし、僕もチームも信頼を寄せる大黒柱です。

【3走が来たぞ!!引っ張って引っ張って。ちょっと走りだしが早いかな。んっ??!!・・・・・・・】





目を疑いました。信じたくない光景を見てしまった瞬間です。そう、3走の選手が4走の選手に追い付けず、バトンパスが許されている区間(テイクオーバーゾーン)を越えていたんですね。リレーのバトンパスは前走者を信頼してマーカーを通過したのを確認したら、もう振り返ることなく全力疾走で走りだします。前の走者の掛け声に合わせて腕を出し、その中にバトンをスッと入れるのが「バトンパス」です。400mを2本走っていた3走。その子を信頼して迷わず全力疾走した4走。テイクオーバーゾーンが残りわずかになっていく中で、なかなか声がかからなかったことは本当に不安だったでしょう。後ろを振り返りたい衝動にかられつつも、それでも走るスピードを緩めず疾走し続けた4走。ついにテイクオーバーゾーンが終わってしまい、後ろを振り返ると苦痛に顔をゆがめながら走る3走の子がいたんでしょうね。バトンパスの失敗は本人たちが一番良く分っていて、僕自身はあまりにも残酷な現実に目をそむけたくなりましたが、4走の子はバトンをもらい、全力でゴールに向かって走りました。



レース後、3レーンに立って黄旗をあげている審判が見えました。その審判に失格を告げられた3走の子がゆっくりとトラックを後にしました。終わった。。その瞬間肩の力が抜けてしまいました。




応援席に4人が帰ってた瞬間に当人の3,4走の子たちが泣き崩れ、僕も号泣しました。なんでこんなに残酷なんだろうな。。ようやくつかみかけたチャンスだったのに、一瞬の出来事が彼の夢を一気に崩してしまいました。リレーはバトンが思わぬプラスアルファの力を出してくれます。そしてバトンを扱う競技だからこそ、どんなに完成度が高いチームでも100%成功するって保証はないから、まさに何が起こるか分からないんですね。


今回の失敗は運命だったんだろうと思います。勝つことで学ぶこと、そして負けて学ぶこと。どちらも大切だし、どちらも必要な経験だと思います。高校生の時の思い出なんて長い人生の中でほんのわずかな瞬間かもしれないけど、今回の「経験」を彼らの心の中に刻んでくれたらいいなと思いました。



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話の中心はリレーになってしまいましたが、勿論みんな本当によく頑張った試合でした。心から「おつかれさま」と言いたいですし、「ありがとう」と伝えたいですね。



…最後に、長い日記にお付き合いいただき、有難うございました。