思ったことを残しておきたくてペンをとる。
だけど何も思い浮かばない。
さっきまであれこれ考えていたことは何だったのか。
たくさん考えて、たくさん思って、たくさんたくさん、巡って、
それでやっと、いっぱい考えたから言葉にして残そうとして、
でも何にも書けない。
そういうことがよくある。
あんなにたくさん考えたことが、思ったことが、
まるで初めから存在しなかったものかのように
息をひそめて出てこない。
私とはいったい何なのか。
言葉にしてみれば、それを読み返してみればわかると思ったのに。
肝心の言葉が紡げないんじゃダメじゃない。ねえ。
でもわかるよ。よくあることだから。
きっと、言葉にするからにはうまく書かなきゃいけないって、
そう思ってんだ。だから何も出てこない。
あぁ、いいなぁ、この文章。まるで言葉の波に揺られてるみたいだな。
そんな文章を読んで、感化されて、あふれて、書きたくなって。
でも私は、私は、それを書いた人じゃない。
あんなものは書けない。
私は、私が書くようなものしか書けない。
だから手が止まるんだ。でしょ。わかってるんだよ。
あぁはやく人生がおわらないかな。
「おやすみ」って微笑んで、永遠に覚めない眠りにつきたい。
私の背負う大切なものすべてを失ってしまった後で、
何も心残りはない、みんな向こうにいるから、って思いながら。
さようなら、ありがとう、私の人生、とても素晴らしかった、
出会えたものすべてが特別なものだった、すべてが美しかった。
真夏のあまりにきらきらした若い時間の中で、
苦しくて起き上がれない日々の午前中に過ごしたクッションの上で、
一人で背中を丸めながらただ息をするのに必死だった大学の図書館の席で、
通勤電車でたまに座れる席から眺める雲の向こうを想像しながら、
日記を書きながら、
私は、
私という一人の人間を生きていることを意識しないまま、生きていた。
すべての日々が私だった。
私が私を生きられないと悩み苦しんだときも、
いつも私は私を生きていた。
そう、すべてが、素晴らしい経験だった。
……なんて思いながら眠れたらいいな。
結局いいものが書けたとは思えないけど、でも、
しばらくたって読み返したらきっと、こんな文章の中さえ、
私は私を見つけるのかもしれないな。
いや、見つけてほしい。
きっと私なら、私を見つけてくれるはず。
そう思ってる。心の中で、そう思ってる。
このブログは私の心の中を文字に起こしただけのものが多い。
だからいつの私がみても古くて新しい私が見つかるはず。
未来の私、私を見つけて。お願いね。