備忘録かねて…
もう随分前の話ですが…
1月の読書会の本
『マリアンヌの夢』
キャサリン・ストー 作
猪熊陽子 訳
岩波書店
病気になったマリアンヌは,あるとき自分が描いた絵のとおりに夢の中の世界が動いていることに気づきます.子どもにとっての〈不安〉と〈恐怖〉を描く異色のファンタジー.
突然病気になって、長い間ベッドの上で過ごさないといけなくなったマリアンヌ(9歳)。
ある日、お母さんの裁縫箱の中にある太い鉛筆を見つけ、それを使って家の絵を描きます。
その鉛筆で書くと、マリアンヌは夢の中でその絵の世界に入り込めることに気付きます。
そして、夢の中で彼女は1人の少年に出会います。
その男の子はマークと言いますが、その子は実在する男の子であり、その子も病気を患っていることを家庭教師の先生とのやりとりの中で知ります。
そして、ある出来事からうっかり絵に描いたことから思わぬ事態を引き起こし、二人はピンチに陥ります…。
子どもが病気にかかってしまう
精神科医である作者が書いたこの作品には子どもの心の動き、感情がよく描かれています。
大人でも子どもでも
自分に何らかのピンチが起きたら
不安などうしようもない気持ちをどう扱ったらいいのかわからなくなります。
それを外に出してしまってはいけないと思うけれども、
どうしようも無くなって癇癪を起こしてしまったり、なにかしらの行動に向かってしまう、
そんな様子もよく描かれています。
闇から希望に繋がることを予感させるエンディングは
読者を安心させます。
読書会で話したのは
子どもも嫉妬心に駆られてしまうのもよくわかるという意見。
この本を子ども時代に読むと
怖く感じるかもしれないという意見。
映画になったら実写はしんどいかもという意見。
などがありました。
今回も読書会があるから出会えた一冊だと感じます。
そして、3月にはキャサリン・ストーの作品を読んだのですが
全然テイストが違いました。
またそれは後日。