こんにちは
まだまだ最高気温20℃以上ですが、
今日は秋が深まると読みたくなる本を紹介します
『しすかなおはなし』
サミエル・マルシャーク ぶん
ウラジミル・レーベデフ え
うちだりさこ やく
福音館書店
青にグレーがかかったような色合いの本。
この色合いが好きです。
「ちいさな こえで よむ おはなし
そっと そっと そっと……
はいいろのはりねずみたちの
しずかなしずかなおはなし。」
というフレーズから始まるこの絵本。
読み聞かせをするときは小さな声で
自然と読んでしまいます。
はりねずみの家族が、真夜中に散歩にでかけました。
森の動物たちはみんな眠っていますが、
2匹のおおかみだけは目を覚ましていました。
おおかみははりねずみをつかまえようとしますが…
ページ数の少ない絵本ですが、
その中にギュッと出来事が詰まっています。
ロシアの絵本ですが
ロシアを知らなくても
その土地の雰囲気
自然の厳しさを
絵本から自然と感じます。
訳者は内田莉紗子さん
ロシアのおはなしを訳すのは
内田さん。
と、私の中ではそう思う素敵な内田さん。
福音館書店の『おおきなかぶ』や
ウクライナ民話『てぶくろ』を訳したのもこの方なのです。
数年前の冬、旭山動物園に行ったとき
シンリンオオカミ(カナダ)が
活動的に動いているのを見たとき、
私の中では『しずかなおはなし』に登場する
はいいろおおかみと
このオオカミが重なった!
ウロウロ何かを探すように動き回るシンリンオオカミ
この日は曇り空だったため
ラッキーなことに
夜行性のオオカミたちがうろつく姿を
午前11時過ぎまで
見ることができた!
オオカミが
自然に近い感じで
あんなに動いている姿を
見たのは初めてだったと思う。
物語と現実の経験が
繋がった瞬間が好きだ。
それは今も昔も。
そして、たとえ現実と繋がらなくても
「もしかしたら…」と
特に子ども時代には
たくさん想像力を働かせて
楽しんでいたと思う。
想像することによって
見えないものが
見える世界が生まれる
それは人間に与えられた
素晴らしき才能なのである。