こんにちは。

 

きょうは一日雨の予報。

 

 

雨の日は薄暗く、眠くなることが多い私。

そんなことないですか?

 

 

 

 

 

10月初旬、

絵本の読み聞かせ講座をした際に

読んだ本の中から1冊紹介します。

 

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『ちいさなねこ』

石井 桃子 さく

横内 襄    え

福音館書店

 

 

 

1960年代に出版された絵本です。

半世紀以上生きている絵本。

 

 

児童文学作家の石井桃子先生の絵本です。

 

 

 

小さな子猫がお母さん猫の見ていない間に、

ひとりで家の外へとびだします。

 

子どもや車など外には危険がいっぱい!

その都度、どうにか危険を回避しますが、

そんなちいさなねこが

大きな犬と遭遇し、危機一髪!

ちいさなねこはどうなるのか…。

 

 

 

子どもたちは自分とちいさなねこを重ね合わせて

物語の世界を楽しみます。

 

 

 

 

この絵本の凄いところは

 

 

まず、ねこが小さな冒険に出かけますが、

最後には帰っていく安心の場があるところ。

 

 

児童文学者の瀬田貞二先生は

このような本を

「行きて帰りし物語」と表現なさいました。

 

 

冒険に出かけていけるのは

安心して帰る場所があるからこそ。

 

 

万が一何か起きたとしても

戻っていける場所、

戻っていける、助けてくれる誰かがいるからこそ

冒険に出かけられるのです。

 

 

この絵本の中には

母猫の大きな愛が溢れているから

子猫は冒険に出かけていける。

 

 

 

何かあった時に

助けてくれる母猫がいるから。

勇気を持って出かけていけるのです。

 

 

今の時代、小さな子どもが

一人で買い物に行くのも心配な時代。

 

 

でも、一人で出かける体験を

この本の中で子どもたちはできる。

 

 

そして、

危険なことも口うるさく言わなくても

この本の中で子どもたちは危険なことを経験することができるから

自然と危険なことも自分の中でわかっていく。

 

 

車には気をつける、

とか

飛び出さない

とか。

 

そして、

何かあったら声を出すことが必要なことも

 

 

自然と教えてくれるのです。

 

(だからと言ってしつけを目的としてこの本を読むのは勿体ない!

だって絵本は読んでる人、読んでもらってる人、共に楽しむものですから)

 

 

 


この絵本は3歳くらいの子に読み聞かせするのに

適していると言われていますが、

 

 

先日、読み聞かせの仲間が

 

1年生に読んだら

 

びっくりするほど静かに聞いてくれたと

 

話していました。

 

 

 

私は「なんでだろう?」と不思議に感じたのです。

 

 

 

力のある絵本と言っても

 

10年ほど前は

 

この本を小学生に読むことなどありませんでした。

 

 

読んだとしても「あ〜知ってる」って雰囲気、

 

も少し大きい子の本を読んでよ、って空気があったのです。

 

 

 

 

 

しかし、もしかしたら

 

子どもたちは

 

小学生になるまで

 

出会っていないのかも?

 

と気づく出来事がありました。

 

 

 

先日の絵本の読み聞かせ講座で

 

この『ちいさなねこ』を知っているお母さんは

 

20人ほどの参加者の中で

 

4人ほど。

 

 

 

幼稚園保育園の頃に

 

出会うはずの絵本に

 

もしかしたら

出会ってないのかもしれないな、と。

 

 

 

こんないい絵本に出会ってないとは!!

 

出会わず子ども時代を過ぎてしまうとは!!

 

 

なんと

もったいないことか!!

 

 

 

 

 

この「ちいさなねこ」は

 

残念ながら絶滅危惧絵本

 

になっているのかもしれない。

 

と思うと、

 

この『ちいさなねこ』を

 

守っていかなくては

 

いけないと感じたのでした。

 

 

 

多分、絶滅危惧絵本になっている

素晴らしい絵本は

 

もっとあるのだと思う。

 

 

それらを機会あるたびに

 


届けたいと思うのでした。