「それはね、命をいただく動植物、食料を生産してくれた人、
そして調理してくれた人に感謝するためなんだよ」
って答えるんじゃないかな、と思うんですけど、
子どもたちにその話をして、はたして
どれくらいの子どもたちが心から納得するでしょうか?
よく考えてみるとですよ、子どもたちはおそらく、
似たようなことを何回も聞いているはずなんです。
でも、残念ながら、それが多くの子どもたちの心に
響いていないのが現状ではないでしょうか?
それどころか、
給食指導の時間にですよ、
「ちゃんといただきますを言わんね!」
「ごちそうさまは?」
「はい、合掌していない人がいるからやり直し!」
なんて、つい言ってしまうことって、ありますよね?
中学2年生の理科で、「動物の生活と種類」という
単元がありまして、その中で動物と植物の違いについて学習します。
動物と植物の一番の違いは何か?
それはですね、
「動物は、食べるために動かなければならない。
植物は、食べる必要がないので動かなくていい」 です。
植物は動けない、じゃないんです。
動かなくていいんです。
なぜか?
生きていくための栄養を、自分の力で作り出すことができるからです。
私たち動物にはそれができません。
だから、
どうしても他の生き物を「食べる」必要がある。
動物だろうが植物だろうが、どんな生き物であっても、
自分の命の限り精いっぱい生き続けたい、
そう願って生きているんだと私は思います。
私たち動物は、そんな他の生き物の「いのち」を
奪わなければ、一時も生きていくことができない、
悲しい宿命を背負った生き物なんです。
食を考えることは、命について考えることです。