昨日は、わがニューヨーク支部の道場内
グッドウィル(チャリティー)トーナメントでした。
ほとんどがちびっ子達で、年の大きい子達と大人の参加が
非常に少なかったのが残念でしたが。
ほとんどの子達が、日本人駐在員の子たちが多く通っている
ニュージャージーの道場からの参加です。
女子は、うちの娘と友達、
そして私と先輩ひとりが型部門に出ただけ、、、。
のはずだったんですが、9才の男の子の相手がいず、
娘が無理矢理組手を
させられることになってしまいました。
背は一番高いとはいえ紅一点。
力は強いけれども組手に対する闘志は全くなく、
小さい頃から舞台嫌いなので大会に出る気も全く無し。
ママもやるから型だけやろうよ、ということで
お友達の母親にも勧めて参加させたのです。
それが、、、。(汗)
相手のH君は、年はたったひとつ下でも、
背は娘の胸ぐらいしかない小さな男の子。
でも、道場内の大会には毎回出ていて、
すごく根性があっていい組手をする子です。
組手が未熟な私が、がちがちに上がっている娘ににわかコーチ。
「とにかく彼が近づけないように、
長い脚を使いなさい!
ジュリー・ラマーを覚えているでしょ。」
ジュリーラマーは北米大会の中量型級8連覇かな、して、
先日の世界大会では2位に輝いた選手です。
動きは鈍いのに、とにかく足をうまく使う人です。
大会は先ず型部門から。娘は3位。惜しくもメダルを逃しました。
私は、、、胸どきどきに上がってしまいまして、
最初の平安その1で
なんとひとつの動きをすっかり忘れて最低点。
茶帯の私が、こんなベーシックな型を間違えるとは~!
師範がにこやかに指摘。会場笑って、
私も反って緊張がほどけました。
次の自由部門で最破(さいは)をやって、
なんとか2位に食い込んでメダルをもらえることに。
だけど、思ったより点数が低かったので、
まだまだ下手なんだなぁ、、、と残念。
自分ではかっこ良くやっているつもりなんですけどね。(笑)
今度ビデオに撮ってもらって研究したいと思います。
そして、試し割りがあって、少年部の組手になりました。
今日は少年部も大人もガードをつけての組手です。
ちびっ子達、すごいです。
日本では極真空手をやっている女の子たち
いっぱいいるみたいですが、こちらでは少ないです。
そして、、、皮肉にも、娘が出てくる少し前に、
私は審判に加えられました。
ええ~?!
大会に始めて出る自分の娘の試合に
練習はしたことはあっても
本番は始めての審判ですよ。
これって残酷じゃありません?
私だって母親です。
でも「すみません、降ります。」とは言えません。
娘の試合が始まり、立った娘と相手はまるで大人と子供。
こういう時に審判達と観客の同情は小さい子にいくのは当たり前。
本戦の前半は、娘が優勢だったと思います。
本当によくがんばっていました。
私が言った通り、蹴りを沢山だして、
H君はなかなか近づけません。
だけど、諦めずに死に物ぐるいで向かってくる彼。
近づいたら絶え間ない突きの攻撃。
反対に、背が高い娘は、
H君をどうやって突いたらいいのかわからないで
困っているのがわかります。
顔面殴打をしそうになって注意を受けました。
H君は組手が上手なのです。
うまく屈んで娘が全く突けないようにしていました。
本戦の結果は引き分け。
1人の審判はH君に旗をあげました。
私は正直に言うと、H君が優勢だったとは思いません。
娘が自分の娘でなかったら、
彼女に旗をあげました。
だけど贔屓をしているとは見られたくありません。
他の審判の出した結果を見てから、
1秒遅れで引き分けの結果を出しました。
これは審判としては失格ですね。
延長では急に娘の動きが鈍くなりました。
「Aちゃん、がんばれ! もう少し!」
と叫びたいのに叫べない辛さ。
今考えても涙が出てきます。
そして、H君が判定勝ち。
はい、私もH君に旗を上げました。
幸い、そこで少年部の組手が終わり
休憩に入りました。
道場を出た娘はわ~っと泣き出しました。
負けたから泣いているんじゃない、
息が出来なかった、苦しかった、と。
そして、
「なんであんな小さな子と組手をやらされるの!
どうして私のサイズの子じゃないの!
あんな子パンチできないよ!」
と怒っています。
小さな子の世話が大好きな娘です。
自分より小さい子を前にしたら、
傷められないという本能も働いていたのでしょう。
痛いほどわかりました。
私がそうなのです。
中学生にもなると自分より背は高く、
力もよっぽど強いのでしょうが、
組手では絶対に遠慮します。
子供を痛めつけた時の後味の悪さ。
ミット練習で一度泣かれて
あんな経験はもう2度としたくない、
と思ってしまった。
それが女としての私の弱さです。
娘は延々と泣き続けました。
いろいろな意味でよっぽど辛かったんですね。
本当によくがんばりました。
普段だったら
「何をめそめそしているの!泣き止みなさい!」
と叱咤の姿勢を取りがちな私も、
「よくがんばったね。偉かった。」と慰めた後
ひとりにしておきました。
これは極真空手をやっている限り、
娘が通っていかなくてはいけない試練。
H君にはがんばってくれたお礼を言い、
お母様にも
「ありがとうございました。
いい経験になりました。」
と丁重に頭を下げました。
H君だってがんばりました。
娘の蹴りは強いんです。
痛くないはずはありません。
それを小さな体で受け止めて向かっていったのです。
ふたりとも本当によくがんばりました。
大会が大人の組手に進行していく内に
娘もやっと落ち着いて、
手伝っている私のところに甘えてきました。
「ママの型、ひどかったよ。」とチクリ。
「そうねぇ、考えられないわよねぇ。間違えて。」
この時ほど親子で心が通じ合ったことはありません。
久しぶりに温かい気持ちに浸れました。
空手を一緒にやっていてよかった!
9才以上の部門に参加したのはH君と娘のふたりだけでしたから、
参加した事によって娘は2位のメダルをもらえました。
最後の表彰式ではさすがに嬉しそうでした。
親子ともに2位のメダル。参加して良かった!
子供は立ち直りも早いですね。
帰りには、さっき泣いた事も怒っていたことも忘れて、
何かが吹っ切れたように明るくおしゃべりになっていて、
どうやったらお互いの空手が向上するか、
話し合いました。
一回り成長した娘がそこにいました。


