以前ならば「承知しました。次回、また何かあればよろしくお願いします」という短い返事が先方から送られてきて、そこで終了という流れになるのが普通であった。
不思議に思って、周囲に聞いてみたら、同様の経験を持つ人は多く、皆それなりに違和感を持っていた。
そこでさらに探ってみると、どうも最後の返事をしない人が問題なのではなく、すでに、若手社員の間では、一往復で済ませることが常識化しているようなのである。
どうしてこのような現象が起き始めたのでしょうか。
<デジタルコミュニケーションの変化>
<リモートワークの影響>
「承知しました。次回、また何かあればよろしくお願いします」というメールを送付する30秒程度の時間投資は、将来の期待値を考えれば十分に元が取れるのである(お前になんか二度と話を聞くことはないから期待値は下がらない、ということかもしれないが)。
「一往復」で終わるコミュニケーションスタイルではなく、「一往復半」のスタイルを取り戻すことは、個人にとっても会社にとっても大きなメリットがある。これは、それなりにビジネス経験を積んだ人にとっては、十分に理解されることだと思う。
ただ、若い人がお客様とどんなメールのやりとりをしているかは見えないから、30秒を惜しむことで発生している期待値低下の実態を、管理職もよく知らないのであろう。
しかし、何より、「タイパ(タイムパフォーマンス)」重視のはずが、長期的な「タイパ」の悪さを自ら招いているというのは、若い人自身にとっても、もったいない話ではないか。
このように考えると、今回取り上げた「一往復」のやりとりだけでなく、“いま”、“ここ”だけの近視眼的なコストパフォーマンスを重視した行動様式が、会社や個人の期待値を低下させる多くの失敗につながっている可能性は高い。会社は、長期的に見て期待値を下げる行動を現場の社員がしていないか、しっかりと点検し直すべきであろう。これは単なるビジネスマナーの問題ではなく、ビジネス上の成果に直結する重要な改善につながるのである。
若者の考え方は人にもよりますが、かなりシンプルで合理的です。
昭和生まれの私は、もちろん「一往復半派」ですが…。
以前に若者からある依頼がメールであり、私は快諾しましたが、その件について返信がないことがありました。期日が迫り、もしや私のメールが送信できていないのでは?と思い、再送しました。
しかし、やはり返信はありませんでした。
おそらく事情が変わり、その若者のなかではすでに終わったこととして処理され、解決済みになっていたのでしょう。でも、やはり私には失礼な人だという印象は拭えませんでした。
そうかと思えば私より年上の知人に、こんな人もいました。
メールはウィルスの心配があって危険なものだから、メールの送受信の前後には時間を問わず、その場で直ちに相手に電話で確認し合いメールを開いてもらうという人がいました。
やり取りが長いうえにさらに電話が加わるのです。
それをやや鬱陶しく思った私は、「時間を問わずというのは相手の都合もあるし常識的な時間以外はメールだけでいいのでは?メールなら相手が都合のいい時に確認できるのでは?それにメールが危険ならば電話だけでいいのでは?」と言うと「それはあなたの勝手な常識であって、世間の一般的な常識ではない。今やウィルスを恐れてメールの送受信の前後に電話でメール確認するのは世界の常識。」とバッサリ切り捨てられたことがありました。
年齢を問わず考え方は人それぞれなのでしょう。
ただし、「一往復」「簡略化」「省略化」を非礼だとするのであるならば、業務上のやり取りをするうえでは企業のイメージを損ねる場合もあります。
その場合は企業全体でビジネスマナーとして教育していく必要があると思います。
もちろん、その前に家庭でのマナー教育も欠かせませんね。
こんなものを見つけました。楽天にあります。
手軽に運べてどこでも開いて作業。
片付けも簡単。私も購入を検討しています。