その表情はいつもと同じ穏やかなものでした。
あの倒れた日からの治療方針は
痛みなく、苦しみなく、静かにその時を迎えられるように…
最期の瞬間に立ち会ってあげる事はできなかったけど
小梅やなごみの側で静かに旅立つ事を決めたのだと思います。
私がいたら、どうしようどうしようと
大騒ぎだっただろうから（笑）
収容された時には既に認知症がかなり進んでいた千歳さん。
ボロボロの首輪に伸び切った爪。
汚れてボロボロの毛玉だらけの身体。
遺棄されたであろう事は容易に想像できて。
それでも人の事が大好きだった健気な千歳さん。
いつもくるくる回ってて
ごはんも上手に食べれなくて
トイレもたまに失敗しちゃって
そんな姿だって愛しくて。
頑張って生きてきた証で。
それを要らないと投げ出した前飼主は
同じ目に合えばいいと呪ってみたり。
人間だって犬だって猫だって
誰だって年をとる。
病気にだってなる。
認知症にだってなる。
自然の現象で当たり前の事。
むしろ病気をせずに老衰である千歳さんは
本当に本当に親孝行。
千歳を抱えて病院に入ると
半数の人は驚いて見てた。
寝たきりの中型を抱えるオンナは珍しかったかしら。
でもその姿を見て
自分が抱えている若い子にも
いつかそういう日が来ると自覚してくれたらいい。
またやた先の話かもしれないけど
想像できない話かもしれないけど
犬もいつか年を取り介護をする事になるのだと
誰かの考えるキッカケになってたらいいな。
千歳さんの勇姿が誰かの穏やかな未来に繋がっていますように。
応援、励ましの言葉、ご支援
ありがとうございました。
