『なんぞころびやおき 天球旅情篇』⑭ | 『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

島根県松江市東出雲町、あれかし山の峠杣一日です。
島根半島(島根島)は勾玉宝船、山陰(東方鳥取瑠璃光藥師少彦名神、西方島根極樂阿弥陀大国主神)は瑤大蛇(たまをろち)。常の理(とはのことわり)あれかし大明神鎮まる意宇の古都から常の親子(085)の物語を書いてゐます。


『なんぞころびやおき 天球旅情篇』


峠杣一日・著

「えい、忌(い)ま忌ましい老い耄(ぼ)れ天狗め!

おい!」

「御任(おまか)せあれで御座(ほざ)る」

お冥(おみゃう)の命令に、兇然法師(きょうねんほふし)が応(こた)へる。

其の肩には、兇興翁(きょうきょうをう)が不敵(ふてき)な面構(つらがま)へで坐(ざ)して居る。

「やれ、久方振(ひさかたぶ)りぢゃの、兇興」

おっと、不意(ふい)に割り入(い)るは豆鼕翁(とうとうをう)の声。

峠杣一日翁(たうげそまのいちにちをう)の肩に坐して、渋味(しぶみ)溢(あふ)れる登場だ。

「き、貴様豆鼕!

己(おのれ)此処で会ったが百年目……否(いや)億萬年(おくまんねん)経(た)っちょる!

我が……我が臆念(おくねん)、到頭(たうとう)霽(は)らす時ぞ!!

兇興変化(きょうきょうへんげ)!

ちくり!」

すは、兇興翁の変化、迷妄(めいまう)ぱちんこを兇然法師が構(かま)へる。

「何の!

豆鼕変化(とうとうへんげ)!

そいや!」

豆鼕翁の変化、月虹豆鉄砲(げっこうまめでっぱう)を一日翁が構へる。

お冥と経法印(きゃうほふいん)が、ぱっと其の場を離れた。

対峙(たいぢ)する迷妄と月虹。

邪悪と正義の一騎討(いっきう)ちだ!


【よいこのみんなの合言葉を唱へよう♪】

いちよあれかし、さいはひよいち。

まほらよいちそはか、南無あれかし大明神!

つづく。