『なんぞころびやおき 天球旅情篇』⑫ | 『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

島根県松江市東出雲町、あれかし山の峠杣一日です。
島根半島(島根島)は勾玉宝船、山陰(東方鳥取瑠璃光藥師少彦名神、西方島根極樂阿弥陀大国主神)は瑤大蛇(たまをろち)。常の理(とはのことわり)あれかし大明神鎮まる意宇の古都から常の親子(085)の物語を書いてゐます。


『なんぞころびやおき 天球旅情篇』


峠杣一日・著

お冥(おみゃう・兇冥きよみ)が随(したが)へる二羽の梟(ふくろふ)が、ぱっと変化(へんげ)した。

やや、人の姿に変はった彼奴(きゃつ)は邪悪兇然(じゃあくきょうねん)。

近来(きんらい)頓(とみ)に拡大し巷間(かうかん)をざわめかせてゐる新興団体(しんこうだんたい)梟鏡教団(けうきゃうけうだん)の教祖(けうそ)、兇然法師(きょうねんほふし)だ。

もう一羽の梟は、小さな人擬(ひともど)き。

豆鼕翁(とうとうをう)にも似てゐるが、其の頭部はまるで引っ付き虫(ひっつきむし・葈耳をなもみ)の化け物だ。

兇然法師の肩に坐す彼奴は兇興翁(きょうきょうをう)、兇興大明神(きょうきょうだいみゃうじん)と號(がう)する。

人知れず兇興翁が繰り出す秘技・飛兇捲(ひきょうけん)!を受けた者は、迷妄念々(めいまうねんねん)に取り憑(つ)かれてしまふ。

自(みづか)らの裡(うち)にある薄志(いくぢなし)な燻(くす)ぶりが極限迄増幅され、程無く氣狂(きちが)ひの怪物へと変貌(へんばう)し暴れ回るのだ。

其処へ、颯爽(さっさう)と登場する梟鏡教団。

兇然法師の梟鏡法力(けうきゃうほふりき)が唸(うな)り信徒(しんと)が呪(まじな)ひを誦(しょう)すれば、怪物は滅尽(めつじん)する。

恐ろしく古(ふる)めかしいマッチポンプ、されど増し行く迷妄信徒。

あな、驚(おどろ)しや。


【よいこのみんなの合言葉を唱へよう♪】

いちよあれかし、さいはひよいち。

まほらよいちそはか、南無あれかし大明神!

つづく。