今日は立秋と聞いてびっくり、この暑さが通常になってくるなら
日本の暦を変えないと行けない気がする。まるで秋を感じない立秋。
さて、今日は2ヶ月のお休みを乗り越えてコーラスに復帰しました。
ジャズダンスも見学の形で復帰。本当に楽しい1日となりました。
友達と会えて充実でした。私の復帰を待って早速暑気払いの日程を決めたり
まぁ、ぼちぼち楽しんで行きたいです。ポエム「cocoringの部屋」
立秋と分かりつつこの暑さかな
連載小説「幸せのパズル3」最終回
今日は冬野菜の収穫の日だ。日曜日ということで子供食堂の子どもたちも応援にやってきた。畑は最初に借りた時から二倍のスペースになっている。お正月に向けてかつお菜や春菊の葉物、そして大根や蕪の収穫を子供たちと楽しむことになっていた。日頃、土と触れ合う機会の無い子供たちにとっては楽しいイベントになっている。佐知子とカナエが握ったおにぎりに秋に収穫していたとうもろこしを茹でたが、ただ、それだけでも子供たちは大はしゃぎだ。畑は佐知子の娘の嫁ぎ先、大野家から無償で借りていたが、実雄さんが言った。
「畑を大きくしませんか、私も子供食堂のお役に立ちたい」
畑の横はやはり畑だが、もう高齢になった持ち主から「やってくれないか」と相談を持ちかけられていたのだが、借地代もあり、渋っていたところを実雄さんからの申し出があったのだった。畑はともすれば重労働だ。手を広げることに恭一は渋っていたが、若手の海星や輝喜が応援する。と名乗りをあげてくれたのだ。それまでも二人は休みを利用しては畑の土の入れ替えや追肥などの力仕事は必ず出てきてくれていたが、子供食堂で広がった地域への貢献が若者の心を大きく動かしたのだ。車を手放した不便さを若者が補ってくれて、おかげで肥料や苗の買い付けなどもスムーズにできている。
御笠川の川辺の道を赤い帽子を被った実雄が歩いてきた。
「おいちゃあん! エル!」
子供らの嬌声に赤い帽子を脱いで振った。
「おいちゃん、ロビンは元気!」
ロビンというのは子供食堂にもらわれるエルの子供の名前で何でも子供たちで決めたそうだ。
「おお、元気、元気」
「ねえ、ロビンをいつ、くれるの」
「あと少ししたらね、獣医さんの話だと生後六〇日まではお母さんのおっぱいがいるんだって。まだちょっと小さすぎるからね」
エルの子供たちは、すでに貰い手がついている。まず動物クリニック、そして、ミモザ美容室、子供食堂、もちろんIO倶楽部である。あとの二匹は実雄さんがどうしても手放せないそうだ。実雄さんはエルの子供の世話に明け暮れているが、毎日、エルの散歩は欠かせない。子どもらをゲージに閉じ込めて出てくるのだ。
そんな実雄さんの様子を見るたびカナエの心はふわりとした和やかさに包まれる。
良かった…。実雄さんはきっと立ち直れる。シニア同士知恵を出し合っていけばきっとどんなことでも乗り越えられる。これこそ長年生きてきたシニアの底力。とにかくみんなで楽しく! それができる場所がある幸せを噛み締める。人生の仕上げは自分次第!
息せき切って走ってきた一番小さなミツルくんの手にしっかりおぎりがあった。
カナエの前で差し出す。
「ばぁちゃんの分だよ」
「あれぇ、ありがとう」
収穫は上々! 子供らが歌う声が聞こえてきた。唱歌だ。常日頃カナエが口ずさんでいる歌をいつの間に覚えたんだろう。 知らず知らず頬が笑っている。 完