ジャズダンスの先生が7月から男性に変わります。見学にこられて「すごく楽しそうで雰囲気が良いです」と言われました。まぁ、楽しいが一番のグループ
です。さて、今日はコロナワクチン6回目のワクチンでした。今日〜明日は気をつけて過ごします。

日差し避け木陰探して歩く道
◎連載小説「蒼の記憶6」
みつきは俊太郎がリーフに顔を出すと逃れるように店から姿を消した。そのことで一度訊いたことがある。リーフの表通りを歩くみつきを見かけ呼び止めたときだ。
「篤のお迎えに行ってるの」
保育園に迎えに行く時間だった。すっかり水に流したふりをしてはいてもみつきにとってはそれこそが堪え難かったのかもしれない。
「もう良いんだ、君が幸せなら、それでもう良いんだ。だから俺を避けないでくれないか」
半分は自分に言い聞かせるようにうわついた御託をならべる俊太郎の心情をみつきは見抜いていたのだ。
「お願い、もう私たち三人の友情は終わったのよ。私のことはほおっておいて。お店にはこないで欲しいの」
保育園への道を歩きながらみつきが言った。その横顔を見てはっとした。前髪では隠しようもない目元に青痣を見たからだ。まさか修司が…。
「私、幸せに見える?」
俊太郎は答えに詰まった。
「俊(しゅん)くんも早く結婚して! でないといつまでも心のけじめがつかないもの」 思わず立ち止まった俊太郎を置き去りにしてみつきは小走りに舗道を走っていく。みつきは幸せじゃぁないんだ…。漠然とそう感じた。
そのまま一人でリーフに寄った。カウンターの中の修司に顔を寄せて厳しい顔で睨んだ。
「おまえ、まさか、みつきに暴力を振るってないよな」
囁くように、しかしきつく言った。
「おれら夫婦のことだ、介入しないでくれ」
修司は弁解をせずに居直るように言うと顔を背けた。
川沿いまで出たところで急に月の存在に気づいた。暗い月だ。ぼんやりと暈がかかっていた。分厚い雲に覆われながらときおり顔を覗かせては気弱そうな面影を残してまた隠れる。少し明るみを残す都会の空にそれでもあと数日もすれば満月になろうかと思われる中途半端な形で浮いていた。二五年前、みつきが思わぬ形で死んでから、修司からは何度か電話をもらったが、俊太郎は電話でもそっけない返事をして弁解を聞くどころか会おうともしなかった。ここ数年ふっつりと途切れた音信にまさかそんな事情が隠れていたとは思わなかった。いつまでも過去に拘り続けたことへの後悔に胸の痞えが怒涛のように押し寄せその重さに潰されそうになる。
「親父のとこにはほぼ毎週行きますが、かろうじて僕の顔は忘れてないようですけど、進行に加速度がついたようなんです」
もう時間がない…。