内科の薬が切れかかってるので今日は内科受診。2ヶ月分を投与されるのだが
受診日があっというまに来る感じ。さて、昨日の帰りミスドでお土産にかわいい
ドーナツを買った。レジで、「容器につめ放題なんですよ」と言われても杖とトレーを持ってそうそう動けない。「足が悪いからこれで良いです」と言うと
「入れてきてあげましょう」とミスドの店員さんがたっぷりと詰めてくれた。
優しい店員さんに心が温かくなりました。

音信の途絶えし友に秋憂う
◉連載小説「代わり筆・上」25
堀川を行き交う山谷舟には早くも吉原へと通う客がちらほらと乗っており、芽吹き始めた柳が川風に揺れている。
「代筆はうまく行きましたか?」
「はい、なんとか。ですが、二人して同じ十七歳なのに、しのという娘さんは三つ月後には顔見せが決まっていて一本立ちするとか」
「そうですか、してもう一人は」
「はい、あきという娘さんはそのまま据え置かれるとか」
「わっちはかたっきし。しのちゃんのように美しくありんせん、まして芸も立たず、顔見世は無理な願いだんす」
芯から、しのを羨むようなあきの目を思い浮かべる。
「そうですか、顔見世は付いていた姉女郎がその費用を出すのです。三百両とも五百両ともいわれています。しのという娘は今は振袖新造(ふりそでしんぞう)なのですね。おそらくは余程羽振りのよい花魁に付いているのでしょう」
「では、あきさんはどうなるのですか」
「恐らくは留袖新造(とめそでしんぞう)でしょう、これからは遊女としての階段を下がるのみかも」
あの若さでもう二人の人生は大きく筋道が分かれているのだろうか。
「で、病が重いお方とは」
「篠屋でこれから売り出そうという部屋持ちの花魁です。つい二か月もまえは鳥屋(とや)と呼ぶ物置に寝かされていましたが、今は小康を得て部屋に戻されました。とやのことを何故、鳥屋と書くか分りますか」
「いえ」
「遊女が苦しむ様が鶏が卵を産む様子に似ているからというわけです」
訊かずとも吉原の女たちの重い病と言えば大方の想像が付く。思わず絶句する吉乃の存在を忘れたかのように湊は怒りを含んだ声で言葉を続けた。
「地獄の苦しみを越えて小康を得た女子は痩せ細り、青く透き通るような肌となり、まるで天女にも例えられるほどに美しくなるともいわれて、よりいっそうの価値があがるというわけです」
何と、過酷なことであろうか。思わず涙ぐみそうになり空を見上げると、茶屋横の桜が蕾を染めて、春がそこまで来ていることを告げている。