毎週、土曜日は徹底的に掃除する。でも私がやることはお仏壇とピアノと
パソコン周りだけ。あとはおとなしくしているのが仕事。
今日は20℃まで気温が上がるらしい。ウオーキング公園でのスナップをスケッチ。動く子供は難しかった。

蒲公英やどこまでも飛べ子よ走れ
◎連載小説「CALL」最終回
「美佐ちゃん、何か楽しそうやねぇ、また、別の男でも出来たん?」
和恵の目が興味津々だ。
「そうたい、今からデートやけん、お先に」
弁当屋の惣菜の余り物をタッパに詰めると自転車の前籠に手提げを入れ、自転車を走らせる。かわいい歌声が聴こえてきた。
きょうもいちにちすみました、なかよししこよしでかえりましょう、
せんせいさよなら、またまたあした バイバイ!
元気いっぱいの声だ。一斉に、小さな子どもらが出て来るなかで、ひときわ甲高く叫ぶ声がした。
「ばあちゃん!」
悠だ。悠が美佐をめがけて走り出してくる。
理恵と啓司は共働きで、いつも延長保育だった悠は美佐が定時に迎えに行くようになりるんるんだった。簀の子板の靴脱ぎ場に座り込み靴を履きながら精一杯の声を張り上げる。
「ばあちゃん、今日はコロッケある?」
「ああ、ゴメン、コロッケはなかばってん、唐揚げのあるよ」
満面の笑顔が返ってきた。
悠を後ろに乗せてゆっくりと自転車を走らせるとき、すれ違った男に気づいた。何の胸のときめきもなかった。 了(全作家文芸時評賞受賞作品)