照葉樹2期の発行に追われてバタバタと過ごした2日間でしたが、今日は我が家
の友人の3回目ワクチン接種。これで3人共が接種を受けたことになります。
3月は楽しくなる!なんとなく夢のようなことを考えています。

どこまでも梅が香ついてくる夜のこと
◎連載小説「CALL」33
「もしもぅし」
暫くして出てきた和恵の声は完全に寝ぼけ声だ。
「あんたねぇ」
「は? 誰?」
「誰ってね! ようそこまで、とぼけていれるよね」
「はぁ? 美佐ちゃん? どうしたとよ、こんなに夜遅く」
「どうでもいいけど、いたずら電話は止めてよね。どれだけ迷惑しとうと思いようとね」
「はぁ、何ば言いよるとよ。こげな夜遅くに電話してきて迷惑はこっちやなかね」
あくまで、とぼけている。
「あんねぇ、あんたの望み通り、近藤さんとは別れたけん」
いっぺんに眠気が取れたのか、電話の向こうの声が真剣になったのが分かった。
「はぁっ? いったいどげんしたとよ。よおっと分かるごと言うてみてんしゃい」
「なんば、とぼけとうとよ。あんたの望み通りになってさぞ嬉しかろうね!」
「はぁ?」
「だけんが、もう嫌がらせは止めてよ!」
「な、なんね」
和恵の声を半分も聞かず思い切り受話器を叩き付けて切った。間髪を入れずに電話がかかる。和恵だ。