宵闇 | ryo's happy days

ryo's happy days

思い切り人生を楽しむこと。これが全ての私。

2月も終わり。なんとまぁ早いことだろう。
オリンピックの若者たちの躍動に掛け値なく楽しませてもらったが、
この機に乗じたかウクライナに侵攻をしかけたロシアのニュースに胸が詰まる。戦争は止めて!。途端に目の前が暗くなった。
 宵闇の空をみつめて祈りたり
連載小説「CALL」32
 朦朧とした頭の隅で微かに電話のベルが鳴っている。腹立ちまぎれに電話に投げつけたバッグが逸れて箪笥に当たり中身がそこら中に散らばった。財布に付けた、くまもんのストラップがあどけない目をこちらに向けている。近藤からのプレゼントだった。
「うるさい!」 
 電話に向かってあらん限りの声で叫びながらいざりより、受話器をとった途端、電話は切れた。体中の血が逆流するのが分かった。
 そのまま、見境なく和恵に電話をかけていた。近藤までもがしらばっくれて和恵のことは知らないなどと言ったが、それは嘘だ。いつも一緒に弁当屋で働いている美佐の片割れのことを知らないわけがない。もしかしたら、近藤は和恵にも気があるのかもしれない。妄想が暗い部屋中に大きく膨らむ。