春浅し | ryo's happy days

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思い切り人生を楽しむこと。これが全ての私。

明日から春風が吹くらしい。でも私は今から出かける、東急ハンズの500円
引きクーポンの使用が今日からなので、スケッチブックを買いに行くことに
した。昨日の夜福岡市内の感染者が1000人を切ったら行こうと決めていた。
往復4000歩未満のお出かけ。おでんのときは熱燗をいただく。
 春浅しクーポン券を握りしめ
連載小説「CALL」29
「筑紫路に行ったとやろ」
 顔が強ばるのが分かった。言葉が見つからず、しどろもどろになる。
「あ、あぁ、あれねぇ、確かに行ったけど、店に入ったわけじゃぁなかよ」
「そこまで行ったなら、入ったも同じたい。何でそげなことするとや」
 何とかこの場を繕わなければ…。
「何で知っとうとよ、もしかしたら和恵さんに聞いたと?」
「誰や、和恵って。そげな女は知らん。嫁から聞いたったい、弁当屋のおばさんが店の前ば行ったり来たりして中ば覗きよったち」
 そうか、店の中はガラスで光って見辛く、何度か覗いて見たが、店の中から外は丸見えだったに違いない。
「うちの嫁さんは勘がいいけんな」
「…て言うことは、何か奥さんに言われたとか…」
「何ば言いよるとか、そしたらおおごとやろうもん。ばってん、もう危なか」
 慌てた。近藤の次の言葉を聞きたくない、と思った。だが言葉は容赦なく続く。
「もう、あんたとのことは終わりにするけん」