春めく | ryo's happy days

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思い切り人生を楽しむこと。これが全ての私。

やっと雨があがり、ちょっとそこまで新しい靴で試し歩きしてみた。ここ2年
はスニーカー以外履いていない足には少々の違和感アリ〜。でもこれならいける。と満足。照葉樹二期の発送準備も整い、後は本の発行を待つばかり。
足早に去る2月よりやがて来る3月に思いを馳せる。きっと良いことがありそう。
 新しきシューズ軽やか春めきぬ
連載小説「CALL」26
 一番値が張る洋服を着た。鏡に写る姿に気持ちが崩れそうになる。10日に一度、近藤と500㎖の日本酒を呑み交わし、唐揚げやフライを摘んだつけは腹回りにたっぷりと余分な肉をつけている。始めから勝ち目などあるはずがない。50歳と62歳の差は歴然としていると思った。ただ、すがりつくとすれば近藤が言った言葉、…女は熟れとう方が味がある…。その台詞だけが美佐の心を突き動かしていた。持ち慣れたトートバッグの中身を持ち慣れないよそ行きのハンドバッグに詰め替えて筑紫路の天神店まで行くには行ったが結局入らずじまいで帰ってきてしまった。ガラス張りの店の前を通りすがる振りをしながら何度か覗いたときに、しっとりとしたお揃いの和服姿の女性たちがにこやかに客の応対をしているのが見えた。その誰もがほっそりとした姿形でどの人が近藤の奥さんか確かめる気力も失せた。