紅梅 | ryo's happy days

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思い切り人生を楽しむこと。これが全ての私。

一昨日は寒さがピリリと頬を刺すような心地よさだった。久しぶりの公園
ウオーキングでは梅があちこちで満開!昨夜は寝ながら浅田次郎の鉄道員(ポッポ屋)を読んだらかなり不気味な内容でうなされて何度も目が覚め、ついにウオークマンで音楽を薄く聴きながらやっと眠れた。ポッポ屋ってこんな内容だったんだ。映画は見ていない。
 足を止む久方ぶりの梅見かな
連載小説「CALL」24
「近藤さんの奥さんさ、筑紫路っていう店で働いとうらしいよ」
「筑紫路ってあの結構高い和食の店?」
「そう、あそこの天神店におらっしゃぁげな」
「何で、知っとうとよ」
「いや、この前、偶然見かけたとき、友だちと一緒やったとよ。その友だちが、どこかで見た人、って言いよったけど、思い出したって電話かけてきたとよ」
「ふぅうん」
「ねぇ、興味ないと? いっぺん天神の筑紫路ば覗いてみたら? ランチどきやったらそげん高くはないけんさ。一緒に行ってやりたかばってん、こっちも忙しかけん、ランチどきに二人で店ば休むわけいかんけんねぇ」
 あれから和恵のことは少し距離を置いてみているものの、和恵は美佐の疑う気持ちなど全く気づいていないようで、美佐も自分の勘は外れているのか、とも思ったりする。細身で髪が長く齢は50歳くらい、という情報しかないものの、美佐に突然芽生えた嫉妬心がどうしても見てみたいという衝動に駆り立てた。筑紫路の天神店と街の弁当屋では月とスッポン、品格からして違いすぎる。悔しさがキリキリと胸をえぐる。
 家に帰るなり冷蔵庫から取り出した水を立て続けに二杯飲んだ。あまりにも一気に飲んだため口の端から溢れた水が喉元からTシャツの胸を濡らした。