凍てつく風の中ウオーキングに出かけた。といっても万歩計は5000歩未満。
昨夜従弟と長電話した。「耳鳴り」という言葉を忘れてお互いに「ノイズ?」
「幻聴?」などと暫し考えた。本当に最近言葉を忘れる。

そこここに夜中の雪の名残あり
◎連載小説「CALL」21
無言電話はマンションに越してから始まっている。マンションに越したとき電話番号も変わったんだった。とすれば、そんなに過去の友だちではないはず…。
…と、すれば和恵さん? 彼女が少なからず近藤さんに好意を持ってたことは知っている。親切ごかしにしておきながら、実は自分と近藤さんのことを妬んでいるのかもしれない。どう考えても彼女以外に思い当たる人物はいなかった。
近藤さんとは10日に1度は会った。
「美佐ちゃん、今日はえらくめかしてデート? 図星やろ」
和恵の言葉がわざとらしく聞こえた。