身体中の痛みとだるさと微熱でまいりました。今日は「連載小説」のみの
掲載をさせていただきます。

◎連載小説「CALL」16
カーテンの隙間から刺すような陽射しが差し込んでいる。枕元の時計を見ると七時を過ぎていた。布団に足を突っ込んだまま片手を畳について右手で遮光カーテンを思い切りよく開けた。ベランダのガラスの向こうの空は青く、梅雨明け宣言はまだというのにもう見事な入道雲がのしあがっている。慌てて布団を出ると洗面所に行き、鏡に写った顔を覗き込む。昨夜、所在なく缶ビールを二缶呑んでそのまま眠ったせいか、むくんだ頬をパンパンと叩いて喝を入れた。今日から休んでいた弁当屋のパートに復帰することになっている。
「そげん引きこもっておってもしょうがなかろうが。出てこんね」
パート仲間の和恵さんが口を利いてくれて、復帰のきっかけを掴んだ。
このままではいけない。何とかこの孤独と怠惰な生活から抜け出さねば私の一生はこのまま終わってしまう…。美佐なりに焦る気持ちもあったしこんなときは友だちの有り難みが身にしみる。身内より近くの他人の方が余程温かい。