梅 | ryo's happy days

ryo's happy days

思い切り人生を楽しむこと。これが全ての私。

この3日間ほど、しつこい肩凝りに悩まされているけれど原因はわかっている。好きなこととはいえ、同じ姿勢を長時間することはもうできなくなった。
今日も晴れてはいるが粉雪が舞っている。
 襟元を掻き合わせては梅仰ぐ
連載小説「CALL」11
 二人は恋愛結婚だ。顔立ちの良い恒男を美佐の方から好きになった。四歳年下の恒男に自分から積極的にモーションをかけて結婚に漕ぎ着けたのだ。寡黙だが、高校時代は野球部ではセカンドを守り筋骨も逞しかったのに、いつからこんなふうに意気地なしになったやら…。

 鬱は、がんばれ! とかしっかりして! だとかとにかく激励してはいけない。気長に本人がその気になるまで暖かい目で見守る…、そんなことは分かっていた。医者や友人や親戚から耳にたこができるほど言い聞かされてきたことだ。だが、どちらかといえば気が短い美佐には、恒男の鬱を見守るなんてことはほぼ拷問に近い。しかし、少なくとも失業保険が出ている頃までは、いい顔もできた。
「恒男さんは今まで働き詰めやったけんね。ちょっとは休んでもいいさ」
 結構そんな寛容な気持ちもあったのだ。