寒の戻りとはいえ、暖かい日々が続いたあとの風の冷たさが身にしみる。
週の中日の掃除で窓もベランダも全開して換気して冷え切った。全ての行事が
お休みで人と会わない生活の中、今日はピアノのレッスン。楽しみだ。

何気ない言葉も嬉しイヌフグリ
◎連載小説「CALL」7
娘との仲を修復しようとするだけの努力はしたが、一言の弁解も許してはくれなかった。何度も電話をしたり、家まで会いに行ったが、取りつくしまもしなかった。悠宛てに送った玩具や洋服さえ包みも解かぬままに送り返される始末だ。今年の秋は確か悠の七五三と思い、つい二週間も前に展示会でかわいい紋付袴を一式揃えて送ってみたが、やはり送り返された。そのときばかりは心が折れて立ち上がる気力も失せてしまった。理恵は父親にべったりでいつまでもパパと呼び、美佐のことはママとは呼ばずお母さんと呼び区別していた。母親の美佐にはことあるごとに反発ばかりしていた娘だったから、今は仕方ないと諦めた。
当時、持病の鬱で仕事も辞め、塞いでいた恒男を独りにして忘年会に出たことが非常識だと思われたのならそれも仕方ない。だが、まさか、こんな事態になろうなんて思ってもみなかったことだ。それだけは娘に解って欲しいと思ったが諦めた。