博多駅前クリスマス | ryo's happy days

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思い切り人生を楽しむこと。これが全ての私。

夕方雨が止んだので重装備に着込んで博多駅前のクリスマスマーケットを見に行った。途中でケンタッキーフライドチキンを食べる、クリスマスソングが流れる店内はガラ空き。楽しかった。
 クリスマス心満たさる夜の街
連載小説「虹の輪18」
 正直、曾太郎さんは苦手だ。だが、友爺の頼みを無下にも出来ないのは結局は俺も友爺と同じお人好しなんだと思うが。小学校の頃に母親に言われた言葉を思い出した。人から頼み事されたら、それはあんたを必要としているってことだからね、余程でなければ断らないことよ。と耳にタコができるほど言われた言葉だが、何かにつけてこの言葉が俺の不誠実な精神をノックアウトしてしまい、俺は面倒臭さをひた隠していい顔をしてしまう。まぁ、曾さんの家は公園近くだしわざわざということでもない。言われた通りコンビニでなるだけビールに合いそうなおかずが入った弁当とフランスパンを調達して曾さんの家に着いたら、丁度、陽(あきら)さんが空き缶の回収に来ており俺を見て、おうっというふうに手を上げた。陽さんは友爺よりだいぶ若い、多分60歳にはなっていない。この界隈で便利屋をしているというが、年がら年中ホークスの野球帽を被っており、Tシャツから出た腕は力仕事のせいか日焼けして俺よりも逞しい。
「あれっ、一人? 吉岡さんは」
 かいつまんで事情を話すと、もう齢やけんな、自分に厳しすぎるのもほどほどにせな。と言った。俺はどう返事をしてよいやら話の先を掴めず黙っていると、俺の持って来たコンビニの袋を、社長のやろ、と手をだした。片方の手にはホームセンターの大きな半透明のレジ袋があり、トイレットペーパーや雑多な物が透けて見える。
「頼まれた買い物と、空き缶の売り上げ金ば渡すけん、ついでたい」
 ウエストポーチから小銭を切り合わせ家の中へ消えたがすぐに出てくる。
「早いですねぇ」
「俺は買い物を渡して、後は缶の中に売り上げを入れるだけやけんな。これ、吉岡さんに渡しといてくれるかなぁ」
 ホームセンターやスーパーのレシートを纏めて差し出した。
「金は吉岡さんからまとめて受け取るとよ。よろしく」
 陽さんは便利屋の仕事で買い物を引き受けているらしいが、いったい友爺は曾さんの世話をどこまでしてるのだろう。生活費の面倒までみてるのだろうか。