もう直ぐ十二月 | ryo's happy days

ryo's happy days

思い切り人生を楽しむこと。これが全ての私。

忘れないように閃いた文章をあちこちにメモっていたものがずいぶん溜まり
さすがに今日は小説を書いた。15歳で亡くなった兄の命日を突然思い出して
和菓子店にてぼた餅を買った。最近朝ドラの影響でぼた餅が食べたくなる。
兄の命日にかこつけて、実は私が食べたいのだ。
 枯れ枝も寂しくなりし落ち葉かな
連載小説「虹の輪」13
 それから10日も経た頃だった。朝起きた瞬間に夏を感じた。それほどにピンカンと空が光っていた。蝉たちは土の中でなぜ梅雨明けが分るのだろう、地面から一斉に這い出した蝉が気が狂ったように大音響で鳴き出したそんな午後、俺はいつものように軽く流しながら公園のコースを走っていたが、梅雨の中日頃、ゴミのことで一悶着したあのベンチに今度は友爺が座っていた。明らかに様子がおかしい。腰掛けた上体が斜めに今にも倒れそうだし、右手で胸ぐらを掴み、左手は力なくだらりと垂れている。近寄ると顔は土色で滝のような汗がじっとりとTシャツの首回りを濡らしているのが見えた。
「大丈夫ですか!」
 俺の問いかけに薄っすらと目を開ける。なにしろ突然の暑さだ。この暑さにやられたのだと直感した。友爺の腕を肩に廻すと砂袋のような体を引きずるようにして木陰に寝かせる。公園には水まき用の止水栓と飲料用の水道がある。水をタオルに含ませ友爺の体中をびしょびしょに濡らした。爺さんの首をもたげ自分のスポーツドリンクを飲ませるとピクピクと何とか反応を示す。躊躇なく携帯で救急車を要請したのだった。