今日は友人の〜 | ryo's happy days

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思い切り人生を楽しむこと。これが全ての私。

今日は友人の還暦の誕生日だ。誰ともお祝いするは予定がない、というので私とささやかなランチでお祝いすることに決めました。楽しいひとときを過ごしてきます。
 還暦に赤いもの買う冬日和
連載小説「虹の輪」10
 いつまでも梅雨が開けず、うんざりするような蒸し暑さの中で紫陽花だけが意気揚々と咲き誇っていた。曇天ではあるけれど束の間の晴れで、葉叢からは溜まった雨粒がときおりまとめて大粒になり落ちてくる。公園の遊具もベンチもペンキ塗り立てみたいにてらてらしており、砂場はぬかるんで大きな水溜りに映しだされた雲の流れは早かった。煉瓦色のゴムチップが敷かれたコースは、もはや、張り替えどきだ。あちこち剥がれて溜まった雨水がふくらはぎに跳ね返る。こんなことなら古いシューズを履いてくるべきだった、などと悔やみながら走っていると10m先のベンチのところに友爺が立っていた。濡れたベンチには見るからに貧相な労務者風の男が座り、傍らに広げた週刊誌を見ながら弁当を食べている。友爺はいつもと同じゴミ袋とトングを持ちTシャツの首にはタオルを巻いていた。何か話でもしている様子で俺はその横を駆け抜けたのだが、公園を一廻りして同じ場所まで来たとき、まるで状況の変わらない二人の姿に、いったい何やってるのだろう、と走る足を思わず止めた。男の臭いだろうか、何日も風呂に入っていないような饐えた臭いが漂っている。