納得はいかないけれど、これ以上描いてもぐちゃぐちゃになりそうでとりあえず
完成にした。やっぱり習うことが必要なのかな...。独学って難しい。

晩秋の憂き静けさの日曜日
◎連載小説「虹の輪」6
「ねえ、何て言ってるんですか、いつも」
チャリを漕いで御笠川沿いの土手を走る。ユリカモメが飛来して季節は確実に冬に向かっていた。俺は塾通いにも使っている黒で車輪は細めのスポーツタイプの自転車、友爺のは白い車体の俗にいうママチャリで、しかも相当に古い。だから追い越そうと思えば造作もないけれど俺は片手ハンドルのゆっくりとしたペースで友爺の少し後ろにつけていた。
「何のことだい」
川風に首もとをひやりと撫でられ、俺はネックウオーマーの中に首を埋めた。
「だから、ビール缶潰すときに、いつも、シッとか何とか、ぶつぶつ言ってるじゃないですかぁ」
振り向いた友爺の頬から顎にかけて白髪混じりの無精髭が午後の陽射しにキラリと光った。
「あぁ、あれか、チクショウ! って言ってんだ」
「でもシッシッて聴こえるけど」
「シッツか、あれはさ、英語だ。糞! とか馬鹿野郎! ってことさ」
「ふうぅん」
そういえば、アメリカ映画で、吹き替え無しでは、オーマイガッド! とかシッツ! とか聴くことがあるけど、友爺って洋画をDVDとかで見てるのかなぁ、やっぱり普通の爺さんとは違う。結構インテリだ、と思った。