昨日、晴れ間が見えたけど夜から土砂降り今朝になっても止みません。
昨夜のテレビで各県知事さんがしきりとロックダウンのことを言ってるのを
聞いていたらどんどん不安になってきてテレビを消した。不要不急の用で博多駅は怖いから裏手のビルの谷間を通っていたら通行止めの表示。入り口に「医療関係者出入り口」とあり、まさにそこはコロナ患者宿泊ホテルで、空気感染はないと知っていながら、なんとも言えぬ気持ちになった。人と接触しないように避けて歩く私。つくづくとこの生活に嫌気がさす。
 長雨にピアノの音色湿りがち
連続小説「みつさんお手をどうぞ」36
 騒ぎを聞きつけて椎木病院から看護師と医師がかけつけてきた。それから、みつさんの周辺が何やら慌ただしくなり、付き添いの俺には何ごとが起こったやらさっぱり知らせてはもらえなかった。つるばみ荘から出て玄関先で、木元さんに電話をかけると、意外にも木元さんはもうこちらに向かう車の中だと言う。
「どうなってるのか、俺には全く分からなくて…」
「心配すな! おふくろは大丈夫や。どうも軽い脳梗塞、起こしたらしいと、今、電話があったんや。もうすぐ着くけん、心配せんでもいい」
 慌ただしく電話は切れた。
 猛スピードで飛ばして来たに違いない。それから数分もするうち、駆け込んで来た木元さんの顔を見て、思わず泣きそうな俺がいた。
 俺を見るなり木元さんが言った。
「藤堂君、ご苦労さん、今日はもう帰っていいから。後は俺の仕事や。後で電話する」
 それでも、もう一度病室に戻ったとき、もうみつさんの姿はなかった。ついさっき目の前で繰り広げられた騒動が、何度もフラッシュバックしては胸の鼓動が治まらなかった。まるで真夏の夜空を彩る花火の連打のように華々しく、みつさんは、自分が一番光り輝いていた舞台を演出したかのように思えて、涙が堰を切ったように溢れてきた。人はどんなに輝いていても、いつか老いる。その挑戦状を突きつけられてとまどった。
 それからの数日間、いてもたっても居られず木元さんに電話をかけてみたが木元さんの声は暗かった。
「まだ、眠ったままなんや。齢が齢やしな、心配かけて済まんなぁ」