台風通過 | ryo's happy days

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思い切り人生を楽しむこと。これが全ての私。

台風のおかげで適当にお湿りの雨が降って外気も少し気温が下がってきた。
オリンピックも終わり、コロナは福岡市内だけでも300人近く。外出しない日が続いている。徳之島に行っている長男から海の写真が届いた。また、ぜひとも海へ行こう!

 露草のあとさきに見ゆ風の道
連載小説「みつさんお手をどうぞ」23
 今日が三十五度を越えれば猛暑日は四十日目となり,それは実に明治時代の頃の記録を更新するとか。俺の住む二階建てのプレハブアパートは夜中になっても外壁が余熱を含んで、開け放した窓からは両隣の室外機の温風がもろに入ってくる。おまけに俺の部屋は二階で、真下は駐車場ときてるから、焼けたトタン屋根に反射した熱気が陽炎のように立ち上って蒸し風呂さながらだ。
 整備工場を辞めるときに餞別代わりにくれた扇風機のぬるい風に、一晩中さらされた身体がけだるく熱を持ったように火照っていた。それでも何とか締め切りまでに書き上げた小説を出版社宛に投稿し終えた。半年前に出した別の出版社の新人賞が発表される頃だが何の音沙汰もないということは、また、落選したのだろう。こつこつと一年余りの日々を費やして精魂こめて書き上げた作品は日の目を見ることもなくシュレッダーにかけられ闇に葬られてしまったのか。達成感とは裏腹なやるせなさが虚しく心を苛んだ。